変異ウイルス急拡大で医療体制ひっ迫 厚労省 専門家会合で分析

新型コロナウイルスの感染拡大の第4波に入ったと指摘される中、対策について助言する厚生労働省の専門家会合が開かれ、変異ウイルスの感染が急速に広がり、重症者が急増して医療体制がひっ迫する関西や、感染の拡大傾向が見られる首都圏の状況などについて分析が行われています。

専門家会合は午後5時半すぎから始まり「まん延防止等重点措置」が適用されている東京や関西、宮城、沖縄の最新の人出や感染状況のほか、特に感染力の強い変異ウイルスが急速に広がり、重症者が急増している関西の医療のひっ迫状況などについて分析が行われています。

会合で示された資料によりますと新規感染者数は、13日までの1週間を、前の週と比べると全国では1.28倍と増加傾向が続いています。

「重点措置」が適用されている地域では、
▽大阪府が1.51倍
▽兵庫県が1.53倍
▽京都府が1.41倍と、関西で増加が続いていて、
▽東京都と沖縄県でも1.24倍と増加していますが、
▽宮城県では0.74倍と、減少傾向になっています。

このほか、重点措置が出されている地域の周辺では、
▽和歌山県で1.85倍
▽奈良県で1.42倍
▽埼玉県で1.05倍
▽神奈川県で1.17倍と、増加の一方、
▽千葉県では0.93倍となっています。

ほかの地域でも、
▽愛知県で1.56倍
▽福岡県で1.69倍などと、各地で増加しています。

また、人口10万人当たりの直近1週間の新規感染者数は、
▽大阪府では71.32人
▽沖縄県で56.92人
▽奈良県で39.02人
▽兵庫県で38.11人
▽宮城県で26.58人と、
「ステージ4」の目安となる25人を超えていて、
▽東京でも24.74人となっています。

会合では、関西で急拡大し、首都圏でも拡大傾向が見られる感染力の高い変異ウイルスの広がりなどについても分析が行われています。

田村厚生労働相「東京や愛知も変異株 予断許さない状況」

田村厚生労働大臣は、専門家会合の冒頭「関西圏のうち、特に大阪と兵庫が非常に厳しい状況で、医療や病床がひっ迫している。医療人材を大阪に調整できるよう差配している最中で重症者が増えている状況なので、しっかり対応していきたい。『まん延防止等重点措置』の対象地域が広がりつつあるが、東京や愛知も変異株の割合が上昇してきており、予断を許さない状況だ」と述べました。