大阪 感染者1130人 大阪府「部活原則休止 大学オンラインで」

大阪府は14日、新たに1130人が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表しました。1000人を超えるのは2日連続で、13日の1099人を上回って、これまでで最も多くなりました。

これで大阪府内の感染者は合わせて6万3174人になりました。また7人の死亡が確認され、府内で亡くなった人は1234人になりました。

大阪府は、感染の急拡大を受けて、14日夜、緊急の会議を開き、新たな対策として、原則、小中学校や高校の部活動は休止し、大学の授業はオンラインで実施するよう要請することなどを決めました。

吉村知事「府立学校 部活動は原則休止 大学はオンライン授業」

大阪府が開いた緊急の対策本部会議で、冒頭、吉村知事は「感染者の重症化率が高く、医療体制が非常にひっ迫している。子どもや若い人の感染を抑え、変異ウイルスへの対策も強化しないといけない」と述べました。

会議では担当者が今の感染状況について、▽各年代で陽性者が増え続け、▽重症患者は病床数を上回って5月下旬にならないと下回らない見通しだと報告し、大阪の医療提供体制は限界を超えることが想定されると説明しました。

そのうえで、人と人とが接触する機会を減らし、感染拡大を食い止める必要があるとして、新たな対策を決めました。

それによりますと、府立学校では▽部活動は原則、休止し、▽修学旅行や府県をまたぐ活動は中止か延期にするほか、▽不安を感じて登校しない子どもにはオンラインで学習支援を行うとしています。

こうした取り組みは、府内のすべての小中学校や高校などに求めるとしています。

また、府内の大学に対しては、▽授業は原則、オンラインで行い、難しい場合は大きな教室を使うなどして密を避け、▽部活動の自粛を徹底するよう、要請します。

経済界に対しては、▽出勤者の7割削減を目指してテレワークを徹底し、▽出勤が必要な場合は時差出勤や自転車通勤などを推進するよう、要請します。

このほか、▽警察などと連携して専門のチームを作り、夜8時前後にキタやミナミなど大阪市内の繁華街で外出自粛の呼びかけを行うことを決めました。

こうした対策は「まん延防止等重点措置」が適用される5月5日まで行うとしています。

高校ダンス部「短い時間で練習してきたのに」

大阪・岸和田市の大阪府立久米田高校のダンス部は去年の全国大会で準優勝、おととしは3位になるなど、全国屈指の強豪チームです。

換気や消毒などの感染対策を取りながら、練習を続けてきました。

府から要請が出されれば受け入れることにしていますが、今は、新入生が加わり新しいチームが立ち上がったばかりの大切な時期で、影響は大きいということです。

ダンス部では、去年の1回目の緊急事態宣言で休校していたときと同じように、部員それぞれが踊っている動画を撮影してオンラインで共有し、お互いにアドバイスしあうといった活動を続けることにしています。

部長で3年生の福本瑞紗さんは「マスクや消毒を徹底したうえで短い練習時間で活動してきたのに、さらに削られてしまうのはしんどいです。活動が自粛になっても、個人のスキルを磨くために一人ひとりが仲間を信じて練習に励んでいくしかないと思っています」と話していました。
顧問の八木克容教諭は「部活動では大会などの目標に向けて部員どうしが顔を合わせて話し合いを重ねることが大切だと思っています。感染が拡大しているので自粛の要請はしかたないと思う反面、新入部員が入るタイミングで一緒にスタートを切れないのは生徒たちもつらいと思います」と話していました。

近畿大学 オンライン講義の環境整備進める

大学側も準備が始まっています。

東大阪市に本部がある近畿大学では、学生や保護者からの要望を受け、今年度からは原則、対面で講義を行うことにしていました。

しかし、新年度が始まった先週、一部の教室で学生が密集する状態になり、府内の感染者数が増加していることから、今週の講義を臨時休講にしたうえで、来週からは一部をオンラインで行うことを決めました。
府から要請が出されれば、さらに多くの講義をオンラインに切り替えることを検討しています。

大学では、専用の収録スタジオを2か所設置するなど、オンライン講義の環境整備を進めていて、こうした設備を活用することにしています。

近畿大学・大学運営本部企画室の高橋由美子次長は「新学期が始まりいきいきとしていた学生の姿がありましたが、感染拡大によって対面授業を減らさなければいけないので残念です。充実したオンライン授業を提供して感染状況をみながら、対面授業の再開に向けて柔軟に対応していきたい」と話していました。

吉村知事「大型連休 ことしは旅行控えて」

大阪府が開いた緊急の対策会議の後、吉村知事は記者団に対し、「人と人との接触を減らすため、府民には生活の維持に必要な場合を除いて、不要不急の外出自粛の徹底をお願いしたい。これまでより、10代以下の感染が増えており、子どもから同居する家族に感染が広がることも考えられるので、学校での対策を強化したい」と述べました。

また、吉村知事は、大型連休期間中の対応について、「府民の皆さんは、ことしは旅行を控えてほしい。大阪府外への旅行も、府内での旅行も、長距離の移動は控えていただきたい」と述べました。