生きた野生哺乳類の取り引き規制へ 暫定的な手引まとめる WHO

野生動物からヒトに病原体が感染するのを防ぐため、WHO=世界保健機関などは伝統的な生鮮市場で生きたまま野生の哺乳類を取り引きしないよう各国に規制を求める暫定的な手引きをまとめました。WHOとOIE=国際獣疫事務局などは、野生動物からウイルスなどの病原体がヒトに感染するのを防ぐための暫定的な手引きを12日付けで公表しました。

手引きでは、新型コロナウイルスでは伝統的な生鮮市場で感染者が相次ぎ、2003年のSARSでは、野生動物からウイルスが検出されたとしたうえで「野生動物由来の感染症は、新しい感染症全体の70%を超える」と指摘しています。

そして「感染した動物の唾液や血液、排せつ物などに触れることで直接ヒトに感染するリスクがある」としています。

そのため、市場に出入りする客や働く人を感染から守るための衛生管理などが徹底されない限り、生きたまま野生の哺乳類を取り引きしないよう各国に規制措置を取るよう求めています。

新型コロナウイルスをめぐっては、WHOのチームがことし1月に野生動物を扱っていた中国 武漢の海鮮市場を訪れるなどして調査を行いましたが、発生源の特定には至っていません。