東京パラ 聖火「津久井やまゆり園」での採火 遺族など中止要請

東京パラリンピックの聖火について、神奈川県相模原市が、5年前に19人が殺害される事件が起きた知的障害者施設で採火する方針を示したことを受け、13日に犠牲者の遺族の代理人などが市の担当者と面会し、施設での採火を中止するよう要請しました。

全国各地から火が集められる東京パラリンピックの聖火について、相模原市は共生社会を実現していく決意を示したいとして、5年前に19人が殺害される事件が起きた知的障害者施設「津久井やまゆり園」で火を採取する方針を明らかにしています。

これについて13日に、事件で犠牲となった美帆さん(当時19歳)の遺族の代理人の弁護士と、重傷を負った尾野一矢さん(48)と、その両親が、市の担当者と面会し、施設での採火の中止を求める要請書を手渡しました。

要請書の中で美帆さんの遺族は「家族が犠牲になった場所で採火が行われるのは違和感があります。遺族の気持ちがないがしろにされるようで悲しい」と訴えています。

また、一矢さんの父親の剛志さんは、面会の中で「事件から5年がたつが遺族や家族はつらく苦しい思いをしてきました。亡くなった人の冥福を祈りながら静かに過ごさせてほしい」と話していました。

要請書を受け取った相模原市の担当者は、発表前に遺族や家族に説明しなかったことを陳謝したうえで「要請を真摯(しんし)に受け止め、対応を検討したい」と答えていました。

神奈川 黒岩知事「ご遺族の気持ち踏みにじって行うものでない」

東京パラリンピックの聖火について、相模原市が「津久井やまゆり園」で採火する方針を示し、これに犠牲者の遺族などが反対していることについて、神奈川県の黒岩知事は「厳粛な雰囲気の中で共生社会の実現に向けた誓いを新たにする場になるのであれば、パラリンピックの理念につながるとは思っている。ただ、ご遺族などの気持ちを踏みにじってまで行うものではないので、しっかり話し合うことが大事ではないか」と述べました。