巨人とヤクルト 観客数制限などの対応をとって試合開催へ

東京都には12日から新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐ「まん延防止等重点措置」が適用されました。東京に本拠地を置く巨人とヤクルトは、都からの要請を受けて観客数を制限するなどの対応をとって試合を開催することにしています。

都に適用された「まん延防止等重点措置」の期間は12日から来月11日までで、巨人の本拠地、東京ドームと、ヤクルトの本拠地、神宮球場も対象地域に含まれました。

両球団は本拠地での試合について、今月下旬から観客数をこれまでの1万人から収容人数の半分に引き上げる予定でしたが、「まん延防止等重点措置」の適用を受けて見送り、都の要請に応じてチケットの販売を打ち切ったり、観客数を制限したりすることになりました。

このうち巨人は、チケット販売を13日夜の中日戦は試合開始の午後5時45分まで、14日からの14試合は13日午後9時で終了し、すでに販売が終わったシーズンシートや、受け付けが済んだチケットはいずれの試合も有効とします。

またヤクルトは、13日夜のDeNA戦は午後7時で、14日、15日の試合は13日夜12時でチケット販売を終了し、今月23日からの10試合は観客数の上限を5000人とします。

また両球団は、ナイトゲームの開始時間を今月下旬から午後6時に戻す予定でしたが、引き続き東京ドームは午後5時45分、神宮球場は午後5時半に前倒しするということです。

このほか、球場でのアルコール類の販売は両球場ともこれまでは午後7時半までとしていましたが、13日から東京ドームは午後6時45分まで、神宮球場は午後7時までに早めます。

東京ドームの感染防止対策は

プロ野球・巨人は今シーズン、本拠地の東京ドームで観客と球場スタッフとの接触を減らすなど、感染防止の対策を進めています。

巨人は、国の研究機関、産業技術総合研究所などと新型コロナウイルスの感染対策の効果を確認する調査のため、今月上旬のヤクルト3連戦と13日からの中日3連戦は1万人から一定程度、観客数を引き上げています。

入場門では観客と球場スタッフの接触を減らすためにチケットの半券の回収を取りやめていて、観客はQRコードを読み取る自動ゲートにチケットをかざし次々と球場に入っていきました。

また球場内の売店では、行列による密集を避けるため、スマートフォンなどで事前に商品の注文から決済までできるサービスを一部の店舗で導入しています。

球団によりますと、産業技術総合研究所などとの調査は引き続き行い、13日も通路や観客席それにトイレでの二酸化炭素の濃度の測定や観客の動きをカメラで撮影しているということです。

巨人の星春海総務本部長は「東京ドームで対策を一生懸命やっていると理解してもらい、観客が自分たちも協力しようという空気を醸成することが重要になる。観客とともに安全で快適な場所にしていきたい」と話しています。

東京ドームを訪れたファンは

東京ドームを訪れたファンからは東京都に「まん延防止等重点措置」が適用されたことを受け、さまざまな意見が聞かれました。

千葉市から訪れた70代の男性は「長年の野球ファンで野球が好きだが、100%安全かというとそういうのはない。そこを考えれば、こういうところに来るのは気が引ける」と話していました。

また、東京 葛飾区から来た女子高校生は「観客の人数を減らすなど球場が対策してくれているので安心できる」と話し、観客数が制限されることについては「さみしいが選手もコロナにかかったら大変だし、もっと感染者が増えたら無観客になったり、試合ができなくなったりするので、それよりはいいと思う」と話していました。

神宮球場を訪れたファンは

神宮球場を訪れたファンからは観客数が来週から5000人に制限されることについて「しかたがない」という声が多く聞かれました。

都内から訪れた33歳の男性は「しかたのないことかなと思う。限られた条件の中でファンも感染対策をしながら楽しめればいい」と話し、神奈川県の18歳の男性は「コロナ禍でも球場で野球が見られるのはありがたい」と話していました。

また、埼玉県の40代の女性は「5000人だと間隔を空けて余裕を持って見られるというよさもあるし、開始時間が早くなって帰りが早くなるのはうれしい面もある」と話し、同じく埼玉県の20代の女性は「となりの席が1つ、2つ空いていたり、前の列に人がいなかったりするくらいが安心できていい」と話していました。

一方、都内から訪れた40代の女性は「満員の球場の歓声を知っていると少し寂しく思う」と話し、埼玉県内の60歳の男性は「5000人だとチケットをとるのがかなり難しくなる。神宮球場はみんな声を出さないようにしてルールを守っているので、半分くらい入れても大丈夫なのではないか」と話していました。