大手電力会社・ガス会社が独禁法違反か 公取委が立ち入り検査

中部電力など大手の電力会社やガス会社が、料金を引き下げないことや、お互いの営業エリアで新規の顧客を獲得しないことなどを申し合わせた疑いがあるとして、公正取引委員会が13日、独占禁止法違反の疑いで立ち入り検査を行いました。公正取引委員会は、各社がカルテルを結び、電力やガスの自由化で期待された公正な競争を妨げたとみています。

独占禁止法違反のカルテルの疑いで立ち入り検査を受けたのは、
▽中部電力、
▽中部電力の関連会社の「中部電力ミライズ」、
▽関西電力、
▽中国電力、
▽東邦ガスです。

関係者によりますと、中部電力と中部電力ミライズ、東邦ガスの3社は、愛知県などの中部地区で、一般家庭向けなどの電気料金やガス料金について価格を引き下げないよう申し合わせていた疑いがあるということです。

家庭向けの電力の小売りは2016年に、ガスの小売りは2017年に自由化され、新規事業者の参入による料金の値下げやサービスの多様化が期待されていました。

また、中部電力と関西電力、中国電力などは、2000年以降に自由化された大規模施設や中小のビル向けの電力の小売りについて、お互いの営業エリアで積極的に新規顧客を獲得しないよう申し合わせていた疑いがあるということです。

関係者によりますと、こうした申し合わせはいずれも2018年ごろから行われていたということで、公正取引委員会は、公正な競争を妨げたとみています。

5社は公正取引委員会の立ち入り検査を受けたことを認め、中部電力と中部電力ミライズ、関西電力、東邦ガスは「調査に対し全面的に協力してまいります」などとするコメントを出しました。

中国電力は「調査に適切に対応してまいります」などとするコメントを出しました。

専門家「事実なら消費者の信頼裏切る行為」

公共経済学が専門で電力やガスの政策に詳しい東京大学社会科学研究所の松村敏弘教授は、今回の立ち入り検査について「小売りの自由化を受けて競争が進み、このようなことは起こりえないと思っていたので非常に驚いた。事実であれば消費者の信頼を裏切る行為だと思う」と述べました。

そのうえで、「自由化以降の電力やガスの政策は、競争がある程度前進しているという前提で組まれてきた。競争が機能しない場合の備えを検討する重要性が増した」と指摘しました。