米国防長官 イランへの言及避ける 核合意復帰目指す中で配慮か

アメリカのオースティン国防長官は、イスラエルのネタニヤフ首相との会談で同盟関係の強化を強調した一方、ネタニヤフ首相が名指しで非難したイランについては一切触れず、核合意への復帰を目指す中でイランへの配慮をにじませたものとみられます。

中東とヨーロッパを訪問しているアメリカのオースティン国防長官は12日、エルサレムで、イスラエルのネタニヤフ首相と会談しました。

この中でネタニヤフ首相は、イランの脅威について、7回にわたって名指しで非難したうえで「イランの核兵器の保有を許してはならないということで合意した。イスラエルは、イランの侵略とテロから国を守り続ける」と述べ、イランへの対抗姿勢をあらわにしました。

これに対し、オースティン長官は「イスラエルとの密接で強固な関係は、中東の安定と安全保障の中心であり、戦略的関係を高め続けなければならない」と述べ、同盟関係を強化する考えを強調した一方、ネタニヤフ首相が非難したイランについては一切、言及しませんでした。

アメリカと同盟関係にあるイスラエルは、バイデン政権がイラン核合意への復帰を目指していることに反対の立場を示していますが、アメリカとしてはイランとの間接協議が行われる中でイランへの配慮をにじませたものとみられます。

アメリカの立場は

アメリカのバイデン政権は、イランの核開発問題をめぐり、トランプ前政権が離脱した核合意への復帰に向けて、今月から間接的な協議を始めています。

イランとの対話を通じて核合意に復帰し、イランが進める核開発などを制限したい立場ですが、同盟国のイスラエルはアメリカの復帰に反対していて、難しいかじ取りを迫られています。

イランとの協議について、ホワイトハウスのサキ報道官は12日の会見で「われわれは14日にウィーンで開催予定の協議に集中している。長く難しい協議になるだろうが協議への参加について変更はない」と述べ、協議の継続に意欲を示しました。

一方イランは、ナタンズにある核施設で11日、電気系統に問題が起きたことをめぐり、対立するイスラエルが関与しているとして報復も辞さない構えで、これについてサキ報道官は「アメリカは全く関与していない」と強調しました。