ドイツ 会派組む2与党の党首 メルケル首相の後継候補に名乗り

ドイツではことし9月の連邦議会選挙に向けて、会派を組む2つの与党のそれぞれの党首がメルケル首相の有力な後継候補に名乗りをあげ、選挙戦に向けた動きが本格化しています。

ことし9月の連邦議会選挙に向けて、メルケル首相が所属する与党「キリスト教民主同盟」は、会派を組む姉妹政党の「キリスト教社会同盟」とともに選挙を戦う顔となる統一の首相候補を選ぶことにしています。

「キリスト教民主同盟」は12日、党首のラシェット氏を首相候補として支持する考えを示し、ラシェット氏は「党内で多くの支持を得られたことをうれしく思う」と述べました。

これに対し「キリスト教社会同盟」からは、新型コロナウイルスの対応で力強いリーダーシップを発揮し、世論調査で人気を集めているゼーダー党首が名乗りを上げました。

12日の会見では「世論調査は国民が何を考えているかを示すはっきりとした尺度だ。多数派の人々の考えを無視することはできない」と述べて、首相候補への意欲を強調しました。

会派を組むこの2つの与党は、ワクチン接種の遅れなどで支持率が急落しているものの、ほかの政党と比べると今も支持率はトップで、首相候補は政界から引退するメルケル首相の有力な後継候補となります。

統一の首相候補は近く決定されるものと見られ、選挙戦に向けた動きが本格化しています。