全国の博物館や美術館 入館料収入が前年比半減 コロナ影響で

去年1年間に全国の博物館や美術館などを訪れた人の数は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で前の年からおよそ6割減り、入館料収入も半減していることが分かり、調査にあたった日本博物館協会は「このまま経営が成り立たない状況が続けば博物館の役割が機能しなくなる」と危機感を強めています。

日本博物館協会は、新型コロナウイルスの影響を調べようと、ことし2月から先月にかけて全国の博物館や美術館などを対象にアンケート調査を行い、このうち497館が回答を寄せました。

それによりますと、去年1年間の入館者数は平均で6万2097人となり、前の年の14万9772人から59%減少しました。

また、有料の407施設の去年1年間の入館料収入は平均で3526万円で、前の年の7933万円と比べると56%減少していました。

入館料収入の大幅な減少は、国立や私立などの種別にかかわらず見られるということで、日本博物館協会は、今後も国や自治体に対して支援を求めていくことにしています。

日本博物館協会の半田昌之専務理事は「博物館はこれまでの歴史と文化をきちんと収集・保存して調査研究を行い、社会に発信してよい未来を考えていく役割を持っています。このまま経営が成り立たない状況が続けばそうした博物館の役割自体が損なわれ、機能しなくなるリスクもある」と話しています。