感染急拡大の大阪 高齢者ワクチン接種 状況は?いつから?

新型コロナの感染が急拡大している大阪。12日も、新たに確認された感染者が603人となり、月曜では過去最多を更新しています。

こうした中、12日から全国で、65歳以上の高齢者に対する新型コロナウイルスワクチンの優先接種が始まりました。大阪府では230万人が対象となっています。

新型コロナ対策のカギとなるワクチン接種。大阪ではどのように進められるのでしょうか。

大阪府内8自治体は在宅高齢者から 本格化は5月以降

NHKは大阪府内の43の市町村の接種計画について、公表された情報などを基にまとめました。

自宅で暮らす高齢者への接種から始めるのは、8つの自治体です。

▽能勢町 ▽豊能町 ▽交野市 ▽守口市 ▽門真市 ▽岸和田市 ▽貝塚市 ▽松原市
このうち5つの自治体が、今月中に開始します。
ただ、多くの自治体が対象となる高齢者を限定しています。

▽松原市は初日の12日は市のボランティア活動に参加する高齢者60人に限定し、今後は対象を75歳以上に絞り込んで進める予定です。

▽守口市は18日から75歳以上を対象に、
▽岸和田市は20日から90歳以上を対象に始めます。

▽貝塚市は24日から
▽門真市は28日から
それぞれ65歳以上を対象に始めます。

いずれの自治体も、今月の予約はすでに埋まっているということです。

大阪府内の自治体で在宅高齢者への接種が本格化するのは来月以降になる見通しです。

大阪府内の自治体 8割以上が高齢者施設を優先

一方、全体の8割にあたる35の市町村が高齢者施設の入所者から始めるとしています。

今月中に供給されるワクチンに限りがあるためで、重症化と集団感染のリスクが高い施設での接種を優先するとしています。

▽大阪市 ▽堺市 ▽池田市 ▽箕面市 ▽豊中市 ▽茨木市 ▽高槻市 ▽島本町 ▽吹田市 ▽摂津市 ▽枚方市 ▽寝屋川市 ▽四條畷市 ▽大東市 ▽東大阪市 ▽八尾市 ▽柏原市 ▽和泉市 ▽高石市 ▽泉大津市 ▽忠岡町 ▽熊取町 ▽泉佐野市 ▽田尻町 ▽泉南市 ▽阪南市 ▽岬町 ▽羽曳野市 ▽藤井寺市 ▽太子町 ▽河南町 ▽千早赤阪村 ▽富田林市 ▽大阪狭山市 ▽河内長野市
大阪府のまとめによると、全体の9割近くになる38の自治体が開始から3か月以内で終了する見込みだということです。

「施設で接種受ける場合」と「自宅に接種券届く場合」

高齢者施設での接種については、基本的に施設や自治体が必要な準備を進めることになります。

家族のもとに「接種券」と「ワクチン接種のお知らせ」が届いた場合は、施設や自治体に連絡してください。

「接種券」届いた場合 手続きは

ワクチンの接種は任意で、希望する場合は事前の予約が必要です。

まず、市町村から「接種券」と「ワクチン接種のお知らせ」が届きます。

次に、接種をどこで、いつ、受けるのか予約をします。
接種は原則、住民票のある市町村で受けることになっています。

会場の情報は市町村の広報誌やホームページなどで確認できるほか、厚生労働省が設けた専用のサイト「コロナワクチンナビ」で検索することもできます。

このサイトでは会場ごとに予約の受付状況や、取り扱うワクチンの種類なども確認することができます。

会場と日時を決めたら、電話やインターネットで予約します。

当日は事前に郵送された「接種券」のほか、マイナンバーカードや運転免許証など本人と確認できる書類を持参することが必要です。
ワクチンは、2回接種することになっていて、1回目の接種を終えたら、2回目の予約を行います。

現在、承認されているファイザーのワクチンは通常、3週間後に2回目の接種を受けることになっています。

ワクチン接種 専門家のアドバイスと注意点

大阪・豊中市にある国立病院機構・大阪刀根山医療センターで、ワクチン接種を担当している齊藤利雄医師は、ワクチン接種を受ける人へのアドバイスと注意点として、次の点をあげています。

●「予診票」に自身のアレルギー歴を丁寧に
接種を受ける際に事前に記入する「予診票」には自身のアレルギー歴を丁寧に記載することが大事だと指摘しています。

齊藤医師は「アレルギーがあるからといって接種できないことは決してなく、接種する医師が注意できるよう、情報提供する必要がある」としています。

また、自分がどんな薬を飲んでいるかわからない人は、『お薬手帳』を持参することを提案しています。

●あらかじめ「かかりつけ医」に相談を
接種を受けることに不安がある人は、あらかじめ、かかりつけの医師と相談してほしいとしています。

齊藤医師は「かかりつけの先生がよくご存知だと思いますので、ご自身の病状や体調によって、接種を受けるかどうか、よく相談して決めるのがいいと思います」と話しています。

●接種を受けるべきか悩んでいる人は
副反応が心配で接種を受けるべきかどうか、悩んでいる人に対しては、齊藤医師は「熱や倦怠感、頭痛は比較的高い割合で出ますが、一時的なもので、少し待てばなくなります。ごく一部、重篤な副反応の報告もありますが、医療処置をすることで回復しています。また、接種会場には医師が待機していて、何かあっても適切な処置を受けることができるようになっています。仮に接種を受けないで新型コロナに感染すると重症化することもありうると考えると、私は接種を受けたほうがいいと考えます」と話しています。