イラン原子力庁長官 核施設トラブル「テロ行為」との見方示す

イラン原子力庁の長官は、主要な核施設の電気系統に問題が起きたことについて、「テロ行為だ」という見方を示しました。複数のメディアは、敵対するイスラエルの情報機関によるサイバー攻撃の可能性を伝えています。

イラン原子力庁の報道官は、11日朝、中部ナタンズにある主要な核施設で電気系統に問題が起きたと発表しました。

詳細は明らかにしていませんが、けが人などはいないとしています。

この核施設をめぐっては、10日、ロウハニ大統領が、ウラン濃縮に使う高性能の遠心分離機を新たに稼働させたと明らかにしたばかりでした。

サレヒ原子力庁長官は、今回のトラブルについて「テロ行為だ」として、何者かの攻撃を受けたという見方を示し、今後、報復も辞さない構えを示しました。

施設では去年7月、遠心分離機を開発する建物で爆発や火災が起き、イランは、敵対するイスラエルによる関与を指摘していました。

また、今回のトラブルについてイスラエルの複数のメディアは、西側諸国や情報当局者の話としてイスラエルの情報機関「モサド」によるサイバー攻撃の可能性があると伝えています。

イランの核開発問題をめぐってはアメリカのバイデン政権が、前政権が離脱した核合意への復帰を目指す中、アメリカとイランの代表団は今月から間接的な協議を始めていますが、イスラエルはアメリカの復帰に反対の立場を繰り返し示しています。

加藤官房長官「中東で高い緊張状態の継続を懸念」

加藤官房長官は、午後の記者会見で「事柄の性質上、答えは差し控えるが、動向を注視している。原油輸入のおよそ9割を中東地域に依存するわが国にとって、中東地域の平和と安定は極めて重要で、中東地域からの石油の安定供給は世界の経済の安定と成長にとっても不可欠だ。中東地域で高い緊張状態が継続していることを懸念しており、政府として、緊張緩和や情勢の安定化に向け、今後も外交努力を継続していく」と述べました。