J&Jのワクチン「接種後に血栓 複数例確認」 EUが調査開始

EU=ヨーロッパ連合の医薬品規制当局は、アメリカの製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、接種したあとに血栓が確認された例が複数あったとして、調査を始めたことを明らかにしました。
一方で「現段階では接種と血栓に関係があるかどうかは不明だ」としています。

EMA=ヨーロッパ医薬品庁は9日、ジョンソン・エンド・ジョンソンが開発した新型コロナウイルスのワクチンを接種したあとに、血の塊である血栓ができたり、血管が詰まったりしたことが確認されたという報告について、調査を始めたと発表しました。

血小板の減少を伴う症状の重い血栓の報告が4例あり、1例は臨床試験で、3例は先月接種が始まったアメリカでそれぞれ確認され、このうち1人が死亡したということです。

EMAは「現段階では接種と血栓に関係があるかどうかは不明だ」としています。

EMAによりますと、現在、このワクチンが緊急使用の許可のもとで使われているのはアメリカだけで、EUでは販売許可は出ているものの、まだ接種は始まっていないということです。

新型コロナウイルスのワクチンをめぐっては、EMAが今月7日、アストラゼネカなどが開発したワクチンと血栓の間に関連性がありうるとする調査結果を発表し、各国で年齢制限を設けるなど対応が相次いでいます。