26の国と地域でワクチン接種開始できず 供給の遅れなどで WHO

WHO=世界保健機関は、ことしに入って100日以内にすべての国でワクチンの接種を始めることを目指してきましたが、ワクチンの供給の遅れなどで26の国と地域では接種を始められていないことを明らかにしました。
先進国などに対してCOVAXへのワクチンの提供を呼びかけています。

WHOは、ことしに入って100日以内にすべての国で医療従事者と高齢者への接種を始めることを目指し、ワクチンの公平な分配に向けた枠組み「COVAXファシリティ」を通じて供給を進めてきました。

しかし、テドロス事務局長は9日の定例の記者会見で、先月末までにCOVAXとして1億回分近くのワクチンを供給する計画だったものの、インドの大手製薬会社が製造しているワクチンの供給の遅れなどを背景に、3800万回分にとどまっていることを明らかにしました。

そして、世界194の国と地域でワクチンの接種が始まったものの26の国と地域では始められず、目標が実現できなかったと述べました。

テドロス事務局長は「ワクチンの分配には、依然、衝撃的な不均衡がある」と述べ先進国などに対してCOVAXへのワクチンの提供を呼びかけました。

一方、テドロス事務局長は、EMA=ヨーロッパ医薬品庁が今月7日、アストラゼネカなどが開発したワクチンの接種と、接種後に確認された血栓に関連性があるとした調査結果について「感染して重症化したり亡くなったりするリスクは、接種によるリスクを大きく上回る」と述べました。