イギリス フィリップ殿下が死去 追悼の動きが広がる

イギリスのエリザベス女王の夫、フィリップ殿下が9日ロンドン郊外のウィンザー城で亡くなり、国内では、追悼の動きが広がっています。

フィリップ殿下は、70年以上にわたってエリザベス女王を支えてきましたが、2017年にはすべての公務から退き、それ以降、公に姿をみせることはほとんどありませんでした。

ことし2月、入院して心臓に関する処置を受けたあと、先月には、ウィンザー城に戻っていましたが、イギリス王室はフィリップ殿下が9日、死去したと発表しました。

99歳でした。

イギリスでは各地で半旗が掲げられ、バッキンガム宮殿やウィンザー城の周辺などでは花を手向ける人の姿も見られたほか、町なかの電光掲示板などでは、写真とともにフィリップ殿下の死去が伝えられていました。

ただ、新型コロナウイルスの厳しい感染対策が続いていて、イギリス王室は市民に対し、花を手向ける代わりに慈善活動への寄付を検討することや追悼のメッセージはウェブサイトに寄せることを呼びかけています。

ジョンソン首相は「フィリップ殿下はイギリスだけでなく、英連邦や世界の国々のあらゆる世代から愛情を得てきた。エリザベス女王を忠実に支えてきた」と哀悼の意を表しました。

また、孫で、現在はアメリカで暮らすハリー王子と妻のメーガン妃はみずからのウェブサイトに「ありがとう。本当にさびしくなります」とメッセージを掲載しました。

葬儀の日程は今後発表されるということですが、フィリップ殿下の遺志で国葬は執り行われないと伝えられています。

チャールズ皇太子「成し遂げた功績は驚くべきもの」

長男のチャールズ皇太子など4人の子どもたちは9日に放送された公共放送BBCの番組で父親への思いを語りました。

このうち、チャールズ皇太子は、「母をこれほどまで長い間支えてきたそのエネルギーは驚異的だ。父が成し遂げた功績は驚くべきものだ」と述べました。

また、3男のエドワード王子は、「父の役割はいつも難しいものだったが、決して女王の存在感を薄くするようなことはしなかった。いつでもそこにいて、女王にとっても、家族にとっても、支えとなる存在だった」と振り返りました。

英ジョンソン首相「フィリップ殿下は女王を忠実に支えた」

イギリスのジョンソン首相は9日、首相官邸前で声明を読み上げ「フィリップ殿下はイギリスだけでなく、英連邦や世界の国々のあらゆる世代から愛情を得てきた。エリザベス女王を忠実に支えてきた」と述べました。

そして、国民から愛され尊敬されてきた存在であっただけでなく、家族にとっては、愛情の深い夫や父、そして、祖父や曽祖父だったとして、エリザベス女王や家族である王室のメンバーに対し、哀悼の意を表しました。

米バイデン大統領と夫人「功績は生き続ける」

アメリカのバイデン大統領とジル夫人は9日「アメリカ国民を代表してエリザベス女王と王室の皆様、イギリス国民に深い哀悼の意を表します」とした声明を発表しました。

声明では、フィリップ殿下が第2次世界大戦に従軍したほか、環境保護などに取り組んだとして「イギリスや英連邦の人々、それに家族のために尽くされた。殿下の功績は家族の中だけでなく、取り組まれたすべての事業の中で生き続けるでしょう」としています。

そのうえで「ジルと私は女王と、殿下の子ども、孫、ひ孫の皆さんに思いを寄せています」としています。

菅首相 弔意のメッセージを送る

菅総理大臣は、イギリスのフィリップ殿下が死去したことを受けて、弔意を表すメッセージをジョンソン首相宛てに送りました。

この中で、菅総理大臣は「日本政府および日本国民を代表し、英国王室、英国政府、および英国民の皆さまに対し、衷心より哀悼の意を表します。フィリップ殿下は、日本を7回訪問されるなど、わが国皇室と英国王室の歴史ある関係をさらに強固なものとされたのみならず、日英両国民の相互理解促進に多大なるご貢献をされたことに深甚なる敬意を表します。フィリップ殿下の生前のご功績をしのびつつ、謹んでご冥福をお祈り申し上げます」としています。

仏 マクロン大統領「模範的な人生を歩んだ」

フランスのマクロン大統領は、英語でツイッターに投稿し「フィリップ殿下は、勇敢さと義務感、そして若者や自然保護への献身によって、模範的な人生を歩んでこられた。エリザベス女王と王室、イギリス国民に心から哀悼の意を表します」として、殿下の死を追悼しました。

オランダ 国王夫妻「明るい人柄が人々を魅了」

オランダの国王夫妻は9日、声明を出し「殿下は長い人生をイギリス国民や果たすべき義務、責任にささげた。その明るい人柄は人々の心をつかんでやまなかった」として哀悼の意を示しました。

また、ベルギーの国王夫妻も「大きな悲しみに暮れている。エリザベス女王とイギリス王室、それにイギリスの国民に深い哀悼の意を示します」とする声明を発表しました。

ドイツ メルケル首相「深い悲しみ」

ドイツのメルケル首相は9日、政府報道官のツイッターを通じて声明を発表しました。

この中でメルケル首相は「深い悲しみを覚える。ドイツとの友好関係、率直さ、それに責任感の強さは忘れられることはない」として、哀悼の意を示しました。