高齢者向けのワクチン各地に到着 来週からの接種開始を前に

高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が、来週から始まるのを前に、各地でワクチンが到着しています。

札幌では

高齢者を対象にした新型コロナウイルスのワクチン接種が始まるのを前に、9日、札幌市に最初のワクチンが到着しました。

札幌市のワクチン配送センターに届いたのは、ファイザー社製のワクチン1箱、975回分です。

トラックから降ろされ、市の職員が箱の内部の温度がマイナス75度前後に保たれていることを確認したあと、台車に載せられて運ばれていきました。

このあとワクチンはディープフリーザーと呼ばれる超低温冷凍庫に収納されました。

高齢者向けのワクチン接種の対象者は札幌市ではおよそ54万人で、今月13日以降、市内5か所の介護老人保健施設の入居者などに順次、接種を行う予定です。

札幌市保健福祉局ワクチン接種担当の畠山亜希子課長は「ようやく札幌市にも1箱が届きました。対象となる高齢者施設に速やかに届けたい。今後、いつどれだけのワクチンが届くのか、国からできるだけ早く情報をいただきたい」と話していました。

ワクチンは国からの供給量に限りがあり、北海道内の22の市と町に先行して1箱ずつ配付されることになっていて、▼9日は札幌市と江別市に、▼来週と再来週に旭川市や釧路市など20の市と町に届く予定です。そして、今月26日からの週には北海道内すべての市町村に1箱ずつ配付される予定です。

福岡市では

福岡市でも9日午前、市内の病院にワクチンが到着しました。

福岡市では今月12日以降を「トライアル」期間と位置づけ、かかりつけ医がある一部の高齢者を対象に、市内140か所程度の診療所でワクチン接種を始めるとしています。

これを前に9日午前9時ごろ、福岡市博多区の「福岡市民病院」に975回分のワクチン1箱が到着しました。

ワクチンは、病院内にある薬の保管室に届けられ、マイナス80度前後の超低温に設定された冷凍庫に移されました。

福岡市によりますと、このワクチンは来週から市内の診療所に配布されるということで、診療所の医療従事者に続いて最も早いところで今月15日になる見込みだということです。

高齢者への本格的なワクチン接種について、福岡市は今月下旬から広く接種券を配布し、大型連休後の来月10日ごろから始める方針です。福岡市のワクチン接種担当の森山浩一課長は「ようやく高齢者への接種が始まるので、身の引き締まる思いだ。各診療所へのワクチンの配送などまだまだやることがあるので、一つ一つ確認しながら進めていきたい」と話していました。

徳島県では

徳島県内の自治体では予約に必要な接種券の発送作業が進められています。

高齢者向けの新型コロナウイルスワクチンの第1便は8日、徳島市や阿南市に到着し、今月から県内の各自治体で優先接種が始まります。

北島町では9日、ワクチンの接種券や予診票などの入った封筒の発送作業が行われました。

発送されたのは町内の65歳以上の高齢者、およそ6000人分で、北島町では、今月19日から接種の予約の受け付けが始まり、来月9日から医療機関で接種が開始される予定です。

ただ、国からのワクチンの供給が予定より遅くなった場合には、接種の開始が遅れるおそれがあるということです。

北島町の古川保博 町長は「すぐに予約がとれなくても順次、ワクチンは届くので慌てないようにしてほしい。自分やほかの人の健康を守るため多くの人に接種してもらいたい」と話していました。