イオン 年間決算は710億円の赤字 最終赤字は12年ぶり

流通大手のイオンは、新型コロナウイルスの感染拡大による2度にわたる緊急事態宣言で、ショッピングモールの休業や営業時間の短縮を行ったことなどから、ことし2月までの1年間の決算で、最終的な損益が710億円の赤字となりました。

赤字額は過去最大で、年間の決算で最終赤字となるのはリーマンショックの影響を受けた2009年2月期の決算以来、12年ぶりです。

イオンが9日発表したことし2月までの1年間のグループ全体の決算によりますと売り上げは8兆6039億円と前の年とほぼ同じ水準でしたが最終的な損益は710億円の赤字となりました。

赤字額は過去最大で、イオンが年間の決算で最終赤字に転落するのはリーマンショックの影響を受けた2009年2月期の決算以来、12年ぶりです。

食品や医薬品などの売り上げは伸びたものの、緊急事態宣言によるショッピングモールの休業でテナントの賃料を減免したことや営業時間の短縮による来店客の減少、それに店内の感染対策の費用がかさんだことなどで収益が悪化しました。

一方、来年2月までの1年間の見通しについては売り上げはほぼ同水準となるものの、最終的な利益は200億円から300億円の黒字を見込んでいます。

イオン 吉田社長「当面 環境は変わらない」

イオンの吉田昭夫社長は「当面、ウィズコロナの中でビジネスが行われることになり、この環境が簡単に変わらないという前提だ。消費の2極化は進んでいて値下げを進める一方、付加価値の高い商品も提供していきたい」と述べ、新型コロナによる買い物客の行動の変化への対応を急ぐ考えを示しました。