日本初の鉄道開業時の信号機の跡か「高輪築堤」で遺構発見

明治5年に日本で初めて鉄道が開業した際に東京湾の海上にレールを敷くために築かれた「高輪築堤」の発掘調査で、当時の信号機の跡と見られる遺構が見つかり、9日に現場が報道公開されました。

「高輪築堤」は、明治5年に日本で初めて鉄道が開業した際に東京湾の海上に盛り土をして側面に石を積んだレールの土台で、JR東日本が東京 港区で行っている再開発工事で、これまでに合わせて長さ800メートルにわたって見つかっています。

このうち高輪ゲートウェイ駅前の調査現場で、築堤ののり面から張り出すように設けられた幅3メートルほどの四角い形の石積みの遺構が新たに確認され、9日に報道公開されました。

調査を行っている港区教育委員会は、十字型の木製の基礎が残されていたことや、築堤に信号機が設置されていたことを示す資料があることから、鉄道開業時の日本で最初の信号機の跡だとしています。

JR東日本が設置した検討委員会の委員長を務める早稲田大学の谷川章雄教授は「築堤が弧を描くように曲がっている部分から直線に変わる位置に信号機がついていて、鉄道らしい景観だ。構造物全体がこのようにきれいに残っているというのは非常に珍しい」と話しています。

JR東日本は高輪築堤の一部を現地で保存する考えを示していますが、9日に公開された現場については、現地で保存せず図面や写真などで記録を残すとしています。

日本考古学協会「拙速な判断すべきでない 全面保存を」

高輪築堤の調査で信号機の跡と見られる遺構が確認されたことを受けて、日本考古学協会は改めて現地における全面保存を求めています。

日本考古学協会の辻秀人会長は、動画でコメントを発表し、この中で今回公開された場所も保存状態は極めて良好で当時の景観が圧倒的なスケールで実感できるとしたうえで「特に信号機跡は明治5年の鉄道開業時のわが国最初の信号機の遺構と考えられ、極めて重要性は高く、築堤発見の歴史的意義をさらに高めることとなる」と指摘しています。

そして「十分な現地公開の機会を確保する必要があり、そのうえで関係する専門家や幅広い市民の意見を聴取し、取り扱いを検討するべきだ。拙速な判断をするべきではないということを特に申し上げたい」と強調しています。