変異ウイルスでワクチン改良 国内での改めての臨床試験不要に

医薬品の審査を行うPMDA=医薬品医療機器総合機構は、国内で承認されている新型コロナウイルスのワクチンを、今後、変異ウイルスに対応して改良する場合、海外での臨床試験のデータがあれば、国内で改めて試験をする必要はないとする方針を示しました。

国内の医薬品の審査を行うPMDAは、今後の新型コロナウイルスのワクチンを審査する際の考え方をまとめ、このほど公表しました。

それによりますと、すでに承認されたワクチンを変異ウイルスに対応できるよう改良して再び申請する際は、海外で行われた有効性や安全性を確かめる臨床試験のデータを活用できるということです。

変異ウイルスの中にはワクチンの有効性を弱める可能性があるものがあり、各メーカーでは変異ウイルスに対応したワクチンの開発を進めています。

ワクチンの承認では、原則として国内での臨床試験が必要ですが、今回の方針によって、変異ウイルスのワクチンの承認までにかかる時間が短くなる可能性があります。

PMDAの広報担当者は「変異株が国内外で急速に広がりつつある中、開発の指針が求められているため、今回、考え方をまとめた」と話しています。