二酸化炭素濃度の測定器 飲食店などで利用増加 注意点は?

換気の状況を調べるめやすとして使われる二酸化炭素濃度の測定器は、飲食店などを中心に利用が増えていますが、メーカーなどで作る業界団体は、十分な機能を持つ測定器を適切な方法で使うよう呼びかけています。

二酸化炭素濃度の測定器は、設置場所の周囲の二酸化炭素濃度を測るため、換気の状況を「見える化」できるメリットがあります。

政府の分科会がリバウンドを防ぐ対策として、ことし2月にまとめた提言の中で、飲食店に利用を求めたほか、「まん延防止等重点措置」が適用されている大阪府も飲食店などに設置を要請しています。

このため、測定器を製造・販売する企業に問い合わせや注文が相次ぎ、品薄になっている企業もあります。

こうした中、測定器を製造・販売するメーカーでつくる産業用ガス検知警報器工業会は、測定器の選定や使い方を誤ると十分な効果が得られないおそれもあるとして、注意を呼びかけています。

購入の際の注意点は

工業会は、インターネット上には二酸化炭素の濃度を正確に測定できないものも出回っているとして、購入する際は機能面を確認してほしいとしています。

赤外線を使って測定する“NDIRセンサー”を使っているものがよく、計測範囲の上限は少なくとも1500ppmや2000ppmまであるもの、そして、計測の誤差を示す「指示精度」は5%以下が望ましいとしています。

そのうえで、正しく機能しているか調べる方法として、測定器を屋外に持っていき、二酸化炭素の濃度が420~430ppm程度になるか、確認することも有効だということです。

使用の際の注意点は

また、換気の状況を適切に把握するため、設置する場所にも注意が必要だということです。

高さは人の口の高さに近いほうがよく、あらかじめ換気が悪い場所や、人が密集しやすいところを十分に調べたうえで設置することが重要だとしています。

産業用ガス検知警報器工業会の大工公敏業務委員長は「測定器を利用して換気の効果を確認し、換気がうまくいかない場所には空気を循環させる仕組みを作ってほしい」と話していました。