東京都「まん延防止等重点措置」政府に要請 感染拡大受け

東京都は、今後、急速な感染拡大が懸念されるなどとして、政府に対して「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請しました。

都内では、感染確認の増加が続いているほか、感染力が強いとされる変異したウイルスの確認も相次いでいます。

都内の感染状況などを評価・分析する都の専門家は、8日の会議で、今後、爆発的な感染の拡大が危惧されるなどと強い懸念を示しました。

こうした状況をうけて都は8日、政府に対して「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請しました。

小池知事は「厳しい状況にあることを認識しつつ、危機管理の観点から、国に対して、重点措置の適用を要請した」と話しました。

都としては、重点措置の適用によって急速な感染拡大を避けたい考えで、今後、飲食店などに営業時間の短縮要請を行う対象地域などについて検討を急ぐことにしています。

小池知事「地域は23区プラスアルファで検討」

東京都の小池知事は、都庁で記者団に対して「ここで大都市間の往来を控えるなど、これまで以上に対策を練っていかなければ感染の拡大が厳しい状況になる。今、手を打つことが重要になってくる」と述べました。

また「まん延防止等重点措置」を行う地域については「国とも協議しているが、感染者の発生状況や店の数などを総合的に考えて23区プラスアルファで協議しているのが現状だ」と述べ、23区に加えて、ほかの地域についても検討していることを明らかにしました。

菅首相「都や専門家の意見伺いながら適切に判断」

菅総理大臣は、衆議院本会議で「まん延防止等重点措置」の東京都への適用について「新規感染者数や病床の状況などを勘案し、東京都や専門家の意見を伺いながら、適切に判断していく」と述べました。

そのうえで「全国的な大きなうねりとまではなっていないが、全国の新規感染者数は増加が継続し、かつ、いくつかの地域で感染の再拡大が生じていて、強い警戒感を持って対応している。地域を絞った『重点措置』を機動的、集中的に講じ、感染拡大を食い止めていく」と述べました。

加藤官房長官「速やかな検討 判断をしていきたい」

加藤官房長官は午後の記者会見で「まん延防止等重点措置」の東京都への適用について「改正特別措置法の付帯決議で要請があった場合には、最大限尊重し、速やかに検討するとされており『重点措置』の考え方に沿って、専門家の意見も踏まえ、速やかな検討、判断をしていきたい」と述べました。

埼玉県 大野知事「選択肢の1つ」

東京都が政府に対し「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請したことについて、埼玉県の大野知事は「東京の影響をこれまでも受けてきたので、影響はないとは考えていない。まん延防止等重点措置については引き続き選択肢の1つとして検討をしていくことに変わりはない。近く専門家会議を開き、県としての対応を決めたい」と述べました。

神奈川県 黒岩知事「1日の感染者200人程度になれば判断したい」

東京都が政府に対して「まん延防止等重点措置」を適用するよう要請したことを受けて、神奈川県の黒岩知事は「神奈川の状況は、病床のひっ迫度合いを見てもステージ2相当であり、すぐに措置の適用を要請する段階にはない。ただ、早めに兆候を捉えて対応する必要があるので、1日の新規感染者数が200人程度になれば、その時点で総合的に判断したい」と述べました。

そのうえで黒岩知事は「感染者に占める若い世代の割合が高くなっていて、今後、感染者全体の数が増えて行く可能性がある。1日でも感染者の数が200人程度になれば、状況を総合的に判断したうえで政府に要請することを検討したい。あす、その数になれば、あすにも要請を検討するということだ」と話しました。