これについて調査を進めてきたEMA=ヨーロッパ医薬品庁は7日、記者会見を開き、血栓について「アストラゼネカのワクチンの副反応のリストに加えられるべきだ」としてワクチンとの間に関連性がありうるとの認識を示しました。
EMAが調査した血栓の症例の多くは接種から2週間以内の60歳未満の女性で、脳や腹部の静脈などに確認されているということですが、特定の年齢や性別による偏りを示すものは今のところないとしています。
また、イギリスの規制当局と独立委員会の担当者らも7日に記者会見し、若い層ではわずかではあるものの有害事象が起こる割合が高いと指摘したうえで、30歳未満に対してはアストラゼネカのワクチンではなくファイザーなど別のワクチンを使用するよう勧めることを明らかにしました。
イギリスの規制当局によりますと、血栓が確認されるリスクは100万人のうちおよそ4人の割合で極めてまれだということで、イギリスとEUいずれの規制当局も接種による利益がリスクを上回るとして今後も接種を進めることが重要だとの見解を示しました。

アストラゼネカ ワクチン “接種後の血栓に関連性”EU規制当局
EU=ヨーロッパ連合の医薬品規制当局は、アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスワクチンの接種と接種後に確認された血栓に関連性がありうるとする調査結果を発表しました。またイギリスの当局も血栓が確認される例について検証を進めた結果、30歳未満に対しては別のワクチンの接種を勧めると発表しました。ただ、いずれの規制当局もワクチンによる利益の方がリスクを上回るとして今後も接種を進めることが重要だとの見解を示しました。
アストラゼネカとオックスフォード大学が共同で開発したワクチンをめぐっては接種後に血栓などが確認された例が報告されています。

WHO「リスクと比較して評価」

EUとイギリスの規制当局などの調査結果を受けて、ワクチンの安全性について調べているWHO=世界保健機関の国際諮問委員会は7日に声明を発表し、現時点の情報ではワクチンの接種と血栓について関連性がありうると考えることは妥当だとする一方、まだ確定したわけではなくより詳細な研究が必要だと指摘しています。
そのうえで「まれな有害事象は新型コロナウイルスに感染して亡くなるリスクと比較して評価されなければならない」としています。
そのうえで「まれな有害事象は新型コロナウイルスに感染して亡くなるリスクと比較して評価されなければならない」としています。
アストラゼネカ “検証進める”

アストラゼネカは7日に声明を発表し、血栓を非常にまれな副反応としてリストに加えるよう求められたとしてこれに協力していく方針を示しました。
そして血栓が確認された個別の例について、状況や考え得るメカニズムの検証をすでに進めているとしています。
一方でアストラゼネカは「それぞれの当局はワクチンが新型コロナウイルスによる重症化に対し高い効果があり利益がリスクを上回っていることを改めて確認している」としています。
そして血栓が確認された個別の例について、状況や考え得るメカニズムの検証をすでに進めているとしています。
一方でアストラゼネカは「それぞれの当局はワクチンが新型コロナウイルスによる重症化に対し高い効果があり利益がリスクを上回っていることを改めて確認している」としています。
伊・スペイン 60歳以上に限る

イタリアの保健当局は7日に記者会見を行い、アストラゼネカなどが開発したワクチンについて接種を60歳以上に限ると発表しました。
ただ、ワクチンの接種による利益はリスクを上回るとして、アストラゼネカのワクチンの1回目の接種を受けた人については60歳未満であっても2回目の接種を進めるとしています。
ただ、ワクチンの接種による利益はリスクを上回るとして、アストラゼネカのワクチンの1回目の接種を受けた人については60歳未満であっても2回目の接種を進めるとしています。

また、スペインも7日夜に保健相が会見し、アストラゼネカのワクチンの接種は60歳から65歳の人たちに限ると発表しました。
ヨーロッパではこのほか、3月からフランスが55歳以上に、ドイツが60歳以上に接種を進める方針を明らかにしています。
ヨーロッパではこのほか、3月からフランスが55歳以上に、ドイツが60歳以上に接種を進める方針を明らかにしています。