競泳 20歳 佐藤翔馬らが東京オリンピック内定 日本選手権

東京オリンピックの代表選考会となる競泳の日本選手権は7日、大会5日目の競技が行われ、男子200メートル平泳ぎで20歳の佐藤翔馬選手が日本新記録で優勝し、代表に内定しました。

東京オリンピックの代表選考会を兼ねて行われている日本選手権は、大会5日目の7日午後、男女4種目の決勝が行われました。

▽男子200メートル平泳ぎ決勝では、20歳の佐藤選手が2分6秒40の日本新記録で優勝し、メドレーリレーの代表内定に続いて2種目めの代表に内定しました。
2位は武良竜也選手で2分7秒58をマークし、こちらも日本水泳連盟が定める個人種目の派遣標準記録を突破して代表に内定しました。
この種目では前の世界記録保持者の渡辺一平選手が2大会連続のオリンピック出場を目指していましたが、3位に終わり代表を逃しました。

▽男子100メートル自由形決勝では、中村克選手が48秒23で優勝し個人種目の派遣標準記録を突破して東京オリンピックの代表に内定しました。
このレースは男子400メートルリレーの代表選考も兼ねていて、優勝した中村選手、2位の松元克央選手、3位の関海哉選手、4位の難波暉選手が男子400メートルリレーの派遣標準記録を突破して、いずれも代表に内定しました。

▽女子200メートルバタフライ決勝では、長谷川涼香選手が2分7秒24で優勝し、日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破し、この種目の東京オリンピックの代表に内定しました。

▽男子800メートル自由形の決勝では、黒川紫唯選手が7分49秒55で日本記録を更新して優勝しましたが、日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破できませんでした。

このほか、7日は男女4種目の準決勝も行われ、女子100メートル自由形では池江璃花子選手が54秒36をマークし、全体1位で8日の決勝に進みました。

男子200m平泳ぎ 佐藤「本番では優勝して金メダルを」

男子200メートル平泳ぎ決勝で日本記録を更新して代表に内定した佐藤翔馬選手は、東京都出身の20歳。平泳ぎが専門でオリンピック2大会連続で金メダルを獲得した北島康介さんをほうふつとさせる、水の抵抗が少ないフォームと力強いキックをいかした大きな泳ぎが持ち味です。
ターンや浮き上がり動作に課題があるとしているものの、去年は上半身の力強さが増したことでスピードアップに成功し、ことし2月には男子200メートル平泳ぎで日本記録まで0秒07、世界の歴代4位に相当する2分6秒74をマークしました。

日本新記録をマークして代表に内定したことについて佐藤選手は「きのうの時点で2分6秒台は出ると思っていたので、しっかり泳ぐことができた」と笑顔を見せました。
代表内定を誰に伝えたいかと聞かれると、少し涙ぐみながら「家族とコーチです。家族はいつも送り迎えや料理を作ってサポートしてくれてコーチもこの1年、つきっきりでやってくれた。代表内定で第一段階として、まずは恩返しできたし、本番では優勝して金メダルをかけてあげたい」と話していました。

男子200m平泳ぎ 武良「オリンピックで結果を残したい」

男子200メートル平泳ぎ決勝で2位に入り代表に内定した武良竜也選手は鳥取県出身の24歳。平泳ぎが専門で上半身の強さを武器にテンポのよい泳ぎが特徴です。

日本選手権の優勝経験はありませんが、シドニーオリンピック銀メダリストの田島寧子さんを指導した藤森善弘コーチのもと、社会人になってから力を伸ばしてきました。去年12月の日本選手権では100メートルで自己ベストを大きく更新し2位、200メートルでも3位でした。

東京オリンピック延期の影響で去年3月に所属先の契約が打ち切りとなり、アルバイトのため練習の回数が半減した時期もありましたが、地元の鳥取県水泳連盟の支援で強化を続けてきました。

決勝で武良選手は手応えを感じながら最後の50メートルに入りました。順位は3番手だったものの、前を行く2番手の渡辺一平選手との差は0秒28。ラストスパートに自信を持ち、「150までついていけば抜ける」と想定していたとおりのレース展開に持ち込みました。


そして、同じくラストスパートに自信を持つ渡辺選手を残り25メートル付近でとらえると一気に置き去りにしました。

レース後、「ラスト50メートルに自信があったので、落ち着いたレースをしようと心に決めていた。しっかりできたと思う」と冷静に振り返りました。

そのうえで、「オリンピックで結果を残したい。表彰台を目指して頑張っていきたい」とメダル獲得へ意欲を示しました。

男子200m平泳ぎ 渡辺は3位で代表逃す

男子200メートル平泳ぎの前の世界記録保持者で大会3連覇を目指す渡辺一平選手は、3位に終わり代表内定を逃しました。
決勝で渡辺選手は序盤からとばして最初の50メートルはトップでしたが、その後、佐藤選手に抜かれて2番手に後退すると、最後の25メートル付近で武良選手にとらえられ、3位でフィニッシュしました。
今月4日に行われた100メートル平泳ぎの決勝でも3位だった渡辺選手は、今大会にエントリーした2種目を終え、2大会連続のオリンピック出場はなりませんでした。

渡辺選手は「準決勝を終えてきょうまで僕なりにやれることを精いっぱいやって、自分らしいレース展開をしっかりやったつもりだったがタイムや順位はふがいない。何でこのような結果になったか整理できない」と肩を落としました。

そして「この数か月は今までの人生で1番頑張ったが日本新記録を出した佐藤選手や自己ベストを大幅に更新した武良選手のほうが純粋に頑張ったのだと思う。2人に東京オリンピックで大暴れしてほしい」と話していました。

女子200mバタフライ 優勝の長谷川 父との特訓実り内定

女子200メートルバタフライで優勝した長谷川涼香選手は東京都出身の21歳。バタフライが専門で、力強さと持久力を兼ね備えた泳ぎで、200メートルを得意としています。

高校2年生でリオデジャネイロオリンピックに初出場を果たし、200メートルバタフライでは0秒11差で決勝進出を逃し9位でした。

その後は日本のバタフライを引っ張る存在として活躍が期待されましたが、思うようなタイムを出せない時期が続いてスランプに陥りました。

2018年秋からは、ジュニア時代に指導を受けていた父親の滋コーチに再び師事して持ち味の上半身を強化してきました。

信じた父との日々があったから、7日の決勝は最後まで耐えることができました。決勝のレース、長谷川選手は序盤から積極的に飛ばしました。

終始、リードして迎えたもっとも苦しい最後の50メートルは長谷川選手が長く課題として向き合ってきた区間でしたが、最後まで懸命に腕を回し続けオリンピックへの切符を手にしました。

レース後の取材では開口一番、「本当に選考会は心臓に悪いですね」と話しながらトレードマークの笑顔がはじけました。

終盤の強さは父親でコーチの滋さんと取り組んだ厳しい鍛錬の成果です。練習では疲れが出る終盤にまず苦手なクロールを泳ぎ込んだあと、仕上げにバタフライの腕のかきだけで100メートルを8本も泳ぐメニューをこなしてきました。

メニューを作った滋さんは「本人は練習嫌いじゃないので、ほかの選手だと心が折れるところも折れない。それができる子だと思っている」と娘を信じて厳しい練習を課していました。

長谷川選手も「追い込みプラス追い込みで精神的にも身体的にもかなりしんどい」と言いながら、「お父さんのことを信じているから厳しい練習も反発なく受け入れられた」と真正面から向き合ってレース後半でも腕を回し続けられる肩の持久力を養ってきました。

男子100m自由形 優勝の中村

競泳の日本選手権、男子100メートル自由形で優勝した中村克選手は東京都出身の27歳。自由形の短距離が専門で、鍛え上げた体から生み出す後半のスパートが特徴です。

初出場となったリオデジャネイロオリンピックは個人種目の50メートルと100メートルの自由形で予選落ちに終わった経験から練習方法や泳ぎをいちから見直し、練習にボクシングのミット打ちを取り入れるなど試行錯誤してきました。

2018年には100メートル自由形で47秒87の日本新記録をマーク。その後は肩のけがでフォームが崩れるなど自己ベスト更新から遠ざかっているものの、2回目のオリンピック出場に向けて強化を続けてきました。

決勝のレース後、「あまりよくなかった」と振り返った中村選手は、スタートを得意とする松井浩亮選手などに前半の50メートルは先行を許しました。

中村選手はここで焦ることはなく自分のペースを守り、前半を4番手で折り返すと得意の後半、75メートル付近で一気に抜け出しました。

自身の日本記録には0秒36届かなかったものの、個人種目の派遣標準記録を突破し「内定するつもりでここにきたが改めてホッとしている」と安どの表情を浮かべました。

以前から、中村選手は松元克央選手をはじめ若手が力をつけてきているこの種目について、第一人者として「いつか負けるときは来るが挑戦してくる若手が出てきてうれしく思うし、僕はそれに対して全力で勝負して抑える」と話していて、このレースも正面から若手の挑戦を受け止め退けました。

レース後の取材で、前回は予選落ちという悔しい思いをしか残らなかったオリンピックについて尋ねられると「まだ思っていたタイムには届いていない。ここからまた頑張っていく」とリベンジを誓いました。

中村克選手は「4人がリレーの派遣標準記録を切ったのは初めてだと思うし、レベルの高い決勝でそれぞれがやることをできたので、本番でもプレッシャーに負けず頑張れると思う」としたうえで、自身のタイムについて「ラスト10メートルがすごくばてて、前半もあまりよくなかった。個人ではもう少し速い記録を狙っていたので残念だが、夏に向けて頑張ってメダル争いをしたい」と話していました。

400メートルリレーで内定 松元「実力を出しきった」

男子400メートルリレーの代表に内定した松元克央選手は「出せる実力を出しきった結果なので十分満足しています。レベルの高い4人がそろったと思うので、世界に挑戦できるのはとてもうれしい」と話していました。

400メートルリレーで内定 関「夢がかなってうれしい」

男子400メートルリレーの代表に内定した関海哉選手は「とても緊張していたのでほっとしている。このために練習してきたので夢がかなってうれしい」と話していました。

関海哉選手は東京都出身の21歳。自由形に重点を置き、おととしの日本学生選手権では100メートル自由形で優勝しています。国内5番手の自己ベストタイムを持ち、東京オリンピックに向けてリレーのメンバー入りを目指してきました。

400メートルリレーで内定 難波「タイムでは満足していない」

男子400メートルリレーの代表に内定した難波暉選手は「オリンピックを狙ってきていたので、リレーでも代表に内定できたのはうれしい。このタイムでは満足していないのでもっと練習してオリンピックで戦えるようにしていきたい」と話していました。

難波暉選手は三重県出身の24歳。自由形が専門です。
おととしの世界選手権に初めて出場し、男子400メートルリレーのアンカーとしてこの種目の東京オリンピック出場権獲得に貢献しました。
ことし3月には国内6番手となる自己ベストをマークし、代表選考会に向けて調子を上げていました。

男子800m自由形 黒川が日本新

男子800メートル自由形の決勝で黒川紫唯選手が7分49秒55で日本記録を更新して優勝しましたが、日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破できませんでした。

黒川選手は「横のレーンの竹田さんについていったら絶対いいタイムが出ると思い頑張りました。派遣標準記録を突破できずくやしいです。次のオリンピックを見据えてまた練習を頑張ろうと思います」と話していました。