初の“緊急事態宣言”から1年 新型コロナ感染状況の推移は

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて国内で初めて緊急事態宣言が出てから7日で1年です。2度の緊急事態宣言から現在の「まん延防止等重点措置」に至るまでの感染状況を振り返ります。

国内初の感染確認からおよそ3か月後の去年4月7日、政府は7都府県に初の緊急事態宣言を出しました。

このときのいわゆる第1波のピークは宣言が出てから4日後の4月11日で、1日に全国で700人余りの感染が発表されました。

その後は減少に転じ、20人前後まで少なくなり、5月25日にすべての地域での宣言が解除されました。

その後、再び感染が広がり、7月末には1日1000人を超え第2波が訪れます。

8月にかけてのピーク時には1500人を超え、各地の自治体が営業時間の短縮などの自粛を要請したり、県独自の緊急事態宣言を出すなどしました。

その後感染は減少しますが、最初の緊急事態宣言が出された時期よりも高い水準にとどまり、9月から10月にかけて500人前後で推移します。

この状態でいわゆる第3波を迎え、ことし1月には7000人を超えるようになり、1月7日、1都3県に2度目の緊急事態宣言が出されました。

1都3県の緊急事態宣言が解除されたのは3月21日ですが、この日は1000人を超えています。

感染拡大とおさえ込みを繰り返しながら、以前に比べると高い状態で次の波を迎え、その結果、新たな波が以前の波より大きなものになってきたことがわかります。

現在も感染拡大の傾向にあり、先月末以降2000人を超える日が多くなっていて、変異ウイルスの感染も広がっています。

5日には大阪、兵庫、宮城の3府県に「まん延防止等重点措置」が適用されました。

対策を徹底しなければ、今後懸念される第4波がさらに高い波となるおそれもあり、政府や各地の自治体は感染防止への協力を改めて呼びかけています。

国際医療福祉大 和田教授「地域を絞って対策呼びかける必要も」

新型コロナウイルスの感染が拡大している状況について公衆衛生に詳しい国際医療福祉大学の和田耕治教授は「地域によって状況は異なるが、年度末から年度初めで歓送迎会など行事が多く、人出が増えている中で感染力が高いとされる変異株も入ってきている。緊急事態宣言が解除され、人出が増えたことも影響していると考えられる」と話しています。

特に、まん延防止等重点措置が適用された大阪府や兵庫県など関西の感染状況が厳しくなっているとしたうえで「まん延防止等重点措置は感染が大きく拡大する前に出すことを想定して作られた制度で、今回はタイミングが少し遅れたと考えている。特に大阪では変異株も多く感染拡大のスピードが非常に速く、医療体制が厳しい現状が十分に市民に伝わらないまま急にひっ迫が起きていて、通常の医療が行えなくなるおそれがある。緊急事態宣言並みの対策で飲食店に限らず、接触の機会を減らさないといけない段階にあるのではないか」と指摘しました。

同様に重点措置が適用されている宮城県については「1人の感染者から何人に感染が広がるかを示す指標の、実効再生産数は徐々に下がる傾向が見られるが、重症者が増えるのは感染者が増えてから1、2週間以上たったタイミングになることが多く、今後、病床がさらにひっ迫する事態を想定しておく必要がある」と話しています。

また、首都圏の状況については「東京都などではすでに拡大の傾向がみられるが、緊急事態宣言の解除によって人出が増加している影響が今後、感染者の増加となって現れると考えられるため、これまで以上に感染が拡大して厳しい状況になるおそれがある」と述べ、引き続き、注意を呼びかけました。

そのうえで、対策が1年以上続き、感染対策への協力が得られにくくなっているとして「どこで感染が特に広がっているのかなど、もう少し絞った形で地域を示して対策を呼びかける必要があるのではないか。差別につながる可能性もあるので呼びかけ方は慎重に検討する必要があるが、特定の地域を示すことでより自分のこととして受け止めることができ、状況に合わせた細かい対応も可能になる」と指摘しました。