競泳 大本里佳 一発勝負の厳しさに

レース後、しばらくプールを出ることができませんでした。
6日の競泳の日本選手権。
女子200メートル個人メドレー決勝で、大本里佳選手は派遣標準記録を突破しながらも3位。本命種目での東京オリンピック出場を逃しました。

大本選手は高校2年生で国内大会を制して世界での活躍を期待されてきました。大学4年間の地道な筋力強化で力をつけ、おととしは初めて世界選手権の代表入りを果たしました。

そして、社会人1年目となった去年、東京オリンピックを機に競技の第一線を退く考えでした。

そんな時に決まったオリンピックの延期。

「この1年で何ができるか。もっとメダルに近づくために何かできるんじゃないか」

気持ちを奮い立たせました。この1年で取り組んだのは最も得意とする自由形の改良です。個人メドレーの最後のスパートを意識して、「力任せだった」泳ぎから水の抵抗が少ないコンパクトな泳ぎに変え、2月には50メートル自由形で自己ベストを出すなど着実に成果を出していました。

200メートル個人メドレーのベストタイムも日本記録保持者の大橋悠依選手に次ぐ2番手につけ、初めてのオリンピック出場に向けて着実に歩みを進めていました。

しかし、一発勝負の代表選考会の厳しさを突きつけられます。

6日の決勝、大本選手は最初のバタフライでトップ。背泳ぎを終えて大橋選手に続く2位で前半を折り返します。
しかし後半、苦手とする平泳ぎで、リオデジャネイロオリンピック代表の寺村美穂選手に抜かれ3位に後退。その後も先を行く寺村選手を捉えることはできませんでした。

結果は、寺村選手が優勝、大橋選手が2位。大本選手はこの種目での代表内定を逃しました。
大本選手を指導する堀之内徹コーチは、以前から「オリンピックを経験した選手は もう一度出たいと必死で上げてくる」と話し、寺村選手の底力を警戒していましたが、その懸念が現実のものとなりました。

レース後、しばらくプールを出ることすら出来なかった大本選手。報道陣の前でもあふれる涙が止まりませんでしたが、「最後の自由形で巻き返せなかったのは本当に悔しい。100メートル自由形では優勝してリレーメンバーの派遣標準記録は必ず突破したい」と声を振り絞り、巻き返しを誓いました。