IMF 世界経済成長率見通し上方修正 米の大型経済対策など背景

IMF=国際通貨基金は、ことしの世界経済全体の成長率の見通しをプラス6.0%と、3か月前の予測から0.5ポイント上方修正しました。新型コロナウイルスのワクチンの広がりに加え、アメリカの大型の経済対策が背景です。

IMFは6日、世界経済の最新の見通しを公表し、ことしの全体の成長率は、マイナス3.3%だった去年から一転してプラス6.0%になると予測しました。

前回・3か月前の見通しに比べると、0.5ポイントの上方修正です。

最大の要因はアメリカで、ワクチンの広がりに加え、バイデン政権のもとで新たに成立した200兆円規模の経済対策の効果を見込み、成長率は、前回より1.3ポイント高い6.4%と予測しました。

アメリカ経済は去年、記録的なマイナス成長となりましたが、ことし中に感染拡大前の水準まで回復するとしています。

また、感染拡大をいち早く封じ込めたとして経済活動の正常化を進めている中国は、前回より0.3ポイント高い8.4%と見込んでいます。

このほか、日本は0.2ポイントと小幅な上方修正で3.3%、ドイツも0.1ポイントの小幅な上方修正で3.6%とされたのに対し、イギリスは0.8ポイント高い5.3%となるなど、ワクチンの広がりや変異ウイルスの感染状況などによってばらつきが出ました。

そのうえでIMFは、多くの国で経済が感染拡大前の水準に戻るのは、来年以降になるとしているほか、景気が回復する中でも貧困率や所得格差が拡大するおそれがあることに警鐘を鳴らしています。

米 ワクチン接種の広がりと経済対策

アメリカの景気回復が強まっている理由の1つが、ワクチン接種の広がりです。

アメリカCDC=疾病対策センターによりますと、今月5日時点で少なくとも1回のワクチン接種を受けたのは、65歳以上で75%、18歳以上で40%と、当初の想定を上回るペースで進んでいます。

これに伴って人の移動も活発になり、TSA=運輸保安局が公表する国内の1日の空港利用者数は、今月2日に158万人を超え、感染が拡大した去年3月中旬以降で最も多くなりました。

バイデン大統領は6日、これまでの目標を前倒しして、今月19日までにワクチン接種の対象を18歳以上のすべての人に拡大することを明らかにしました。
そしてもう1つの理由が、バイデン政権のもとで先月11日に成立した200兆円規模の巨額の経済対策です。

柱は、1人あたり最大1400ドル、日本円で15万円の現金給付。

中西部ミズーリ州で銀行員の夫と3人の子どもと暮らすオリビア・クリスチャンソンさんの口座には経済対策が成立したわずか6日後、家族5人分で7000ドル、日本円で77万円が国から振り込まれました。

感染拡大以降の1年間で、国からの現金給付は3度目。

一家はあわせて130万円を受け取り、家の補修や子どもたちのクリスマスプレゼントの購入に使いました。

夫婦はすでにワクチン接種も済ませていて、夏には家族旅行も計画しています。

オリビアさんは「現金をもらえるのはやはりうれしいです。新しい家の購入も考えています。日常の生活も元に戻していくのでこれからは支出が増えると思います」と話していました。

夫のタンナーさんも「夏には外に出てビーチにも行きたい。もちろんマスクをするけど」と話していました。

バイデン政権が実行した経済対策はレスキュー・プランと名付けられ、新型コロナの影響を受けた人の救済を目的としていますが、現金給付の対象を年収880万円以下、世帯年収で1760万円以下としたため、全体の85%にあたる1億以上の世帯に給付されます。

(※1ドル=110円換算)