日本の出入国管理法改正案 国連作業部会が人権上の懸念を指摘

不法滞在などで国外退去処分を受けた外国人のうち、一定の条件を満たす人は施設に収容しないとする出入国管理法の改正案について、国連の作業部会などが書簡をまとめ、「こうした措置は例外にすぎない」として人権上の懸念が残ると指摘し、日本政府に対応を求めました。

不法滞在などで国外退去処分を受けた外国人をめぐっては、出国を拒否した場合、施設での収容が長期化する事例が相次いでいます。

このため、政府は出入国管理法に新たに「監理措置」を設け、逃亡のおそれが低いなど、一定の条件を満たす外国人は施設に収容せず、親族や支援者のもとで生活することなどを認める改正案を決定し、今の国会での成立を目指しています。

この改正案について、国連の人権理事会の「恣意的(しいてき)拘禁作業部会」などが書簡をまとめ、「収容が依然として強制され、新たな措置は入管担当者の裁量で例外として適用されるにすぎないことに懸念を表明する。日本も批准している自由権規約では、身体の自由が原則で、収容は例外的だと定めている」として、人権上の懸念が残ると指摘しました。

さらに、司法審査を経ずに収容される仕組みや、収容期間に上限がないこと、それに外国人の子どもたちの生活についても懸念を示し、日本政府に対応を求めました。

これを受けて、日本で難民支援などに携わる弁護士や人権団体が6日会見し、「書簡は決して特殊なことを言っているわけではなく、収容の在り方について見落とされがちだった前提を改めて指摘したものだ。示された懸念について、政府は国民に公開の場で説明してほしい」と求めました。

上川法相「一方的な見解公表には抗議せざるをえない」

上川法務大臣は、記者会見で「改正法案は、国際法学者や弁護士などの検討や指摘を踏まえて立案したものだ。事前に日本政府から説明を聞く機会があれば、立案の背景や内容、その適正性について、正確に理解いただけたと考えており、一方的に見解を公表されたことについては抗議せざるをえない」と述べました。