競泳 19歳の本多灯が東京五輪内定 競泳日本選手権 4日目

東京オリンピックの代表選考会となる競泳の日本選手権は6日、大会4日目の競技が行われ、男子200メートルバタフライで19歳の本多灯選手が優勝し代表内定を決めました。

男子200mバタフライ 本多・瀬戸が内定

男子200メートルバタフライ決勝では、本多灯選手が自己ベストを更新して1分54秒88で優勝しました。

2位は瀬戸大也選手で1分55秒20をマークし、ともに日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破してこの種目の東京オリンピック代表に内定しました。瀬戸選手は、個人メドレー2種目ですでに代表に内定していて、これで3つ目の代表内定です。

3位は森本哲平選手で、決勝を泳いだ5位までが派遣標準記録を突破する激戦となりました。
優勝した本多選手は19歳の大学生で、バタフライと個人メドレーの選手です。重点を置く200メートルバタフライでは力強いキックと後半の追い上げが持ち味で、2019年の世界ジュニア選手権で銀メダルを獲得し、去年12月の日本選手権で初優勝するなど着実に力をつけてきた成長株です。

決勝のレース、本多選手は「前半はうまく泳げなかった」と言いながらも中盤まで瀬戸選手にぴったりついて2番手で最後の50メートルに入りました。そして、「自分の強み」と自信を持つラストスパートで瀬戸選手を抜き去り、1着でフィニッシュしました。

自己ベストを更新しての初めての代表内定にも「うれしいけれど、当然の結果。狙っていたタイムに届かず悔しい」とつとめて冷静だった本多選手。報道陣から「もっと喜ぶのかと思った」と指摘されると、「コーチから常に冷静さを持ち続けろと言われている」と明かし、最後は19歳らしい笑顔をみせました。
また男子200メートルバタフライで自身、3種目目となる東京オリンピックの代表内定を決めた瀬戸選手は「このタイムで代表に決まったのはラッキーかなと思います。オリンピックに向けて自分のレースがしたいという思いでレースに臨みましたが、最後の50メートルでへろへろになってしまったのでもう1回強化して夏はもっといいタイムでメダルを取りたいです」と話していました。

瀬戸選手は強化の出遅れを補うため、この1か月間は体力をつける泳ぎ込みを行い、バタフライで疲れがたまる終盤にスパートをかける練習はほとんどできなかったと言うことで、今大会は「オリンピックへの強化の一環」と位置づけています。

6日のレースではいつもの前半から積極的にリードを奪うスタイルを崩さず、前半を2番手で折り返し、終盤は追い上げてきた本多選手に並ばれ、フィニッシュ間際に逆転を許しましたが、日本記録保持者の地力を見せて派遣標準記録を突破し、2位でフィニッシュしました。

女子200m個人メドレー 寺村・大橋が内定

女子200メートル個人メドレーの決勝では寺村美穂選手が2分9秒55で優勝しました。2位は2分9秒67で大橋悠依選手でした。

寺村選手と大橋選手はともに派遣標準記録を突破して、この種目の東京オリンピックの代表に内定しました。大橋選手はすでに400メートル個人メドレーの代表に内定していて、これで2つ目の代表内定です。
寺村美穂選手は千葉県出身の26歳。中学まで平泳ぎが専門でしたが、ひざのけがの影響で個人メドレーに重点を置くようになりました。200メートル個人メドレーでリオデジャネイロオリンピックに出場して準決勝に進んだほか、2018年のジャカルタアジア大会では銅メダルを獲得しています。ソウルオリンピック金メダリストの鈴木大地さんを育てた鈴木陽二コーチに指導を受け、去年12月の日本選手権で初優勝を果たしました。

レース後寺村選手は「リオデジャネイロオリンピックのあと、このためだけに頑張ってきたので、まずは一安心。ハイレベルな戦いになると死ぬ気でトレーニングして必死で泳ごうと思っていた」と笑顔を見せました。

男子200メートル自由形の日本記録保持者の松元克央選手と一緒に鈴木コーチのもとで厳しい練習を乗り越えてきたということで、「松元選手は後輩だが刺激をもらいここに立つことができた。最後のレースになるかもしれないので、悔いがないようにしようと互いに声をかけあっていた」と話していました。東京オリンピックにむけては「このタイムでは戦っていけないと思うので、もっともっと追い込んで、大会本番でもっといいタイムを出して表彰台に上がれるように頑張りたい」とメダル獲得に意欲を見せていました。
女子200メートル個人メドレーの日本記録保持者で2種目目となる東京オリンピックの代表内定となった大橋選手は、レースについて「アップの調子もすごくよかったので自己ベストに挑戦しようと意識しすぎてかたくなった部分があった。緊張した部分もあって後半ばててしまった」と振り返りました。そのうえで「前半で力んでしまうと後半持たないこともきょうのレースで見えた。自分のレースをしっかりできるように準備していきたい」とオリンピックの戦いを見据えていました。

女子200m自由形 優勝の五十嵐 リレーで内定も表情は…

女子200メートル自由形決勝は、五十嵐千尋選手が1分57秒47で優勝しました。

五十嵐選手は個人種目の派遣標準記録を突破できませんでしたが、女子800メートルリレーの派遣標準記録は突破したためこの種目で代表に内定しました。残る3人の枠については大会最終日に開かれる選考委員会で決まることになっています。
五十嵐選手は神奈川県出身の25歳。自由形が専門で50メートル、200メートル、400メートルの3種目で日本選手権の優勝経験があり、中距離の400メートルでは高校3年生のときから6連覇を果たしました。

初出場のリオデジャネイロオリンピックは1人が200メートルを泳ぐ女子800メートルリレーで第1泳者を務め、決勝進出に貢献しました。瀬戸大也選手を育てた梅原孝之コーチのもと、筋力トレーニングなどで水をとらえる力をつけ、ことし2月に100メートルの自己ベストを更新するなどスピードを強化しています。

決勝のレース後、五十嵐選手の表情は複雑でした。レースは若手の白井璃緒選手に先行を許しましたが、「落ち着いてレースができた」と、慌てることなくぴったりとマークしました。
そして、最後の50メートルで一気にギアを上げて抜き去り2大会連続のオリンピック代表内定を決めました。

レース後は「1番、かけてきた種目だった」と、優勝できたことにほっとした様子も見せましたが、決勝で女子800メートルリレーの代表内定条件を突破したのが自分1人だけだったことから、「みんなで内定して気持ちよくオリンピックにいきたかった。私が貯金を作ろうと思っていた。悔しい」と話し、喜びも控えめでした。

女子1500m自由形 森山が優勝も内定ならず

女子1500メートル自由形の決勝は森山幸美選手が16分17秒60で優勝しましたが、日本水泳連盟が定める派遣標準記録を突破できませんでした。
森山選手は「16分を切るためのレースを練習で作ってきていたので、自己記録にも及ばない結果になってしまい残念な気持ちはあるが、日本選手権優勝という結果を残すことができ、支えて下さる人たちに感謝の気持ちを伝えることができたならよかったと思います。練習してきたことを結果として出し切ることができていないので、まだ頑張りたいと思います」と話していました。

男子200m平泳ぎ準決勝 世界新狙う渡辺は全体2位で決勝へ

大会4日目は決勝のレースのあと、男女3種目で準決勝が行われました。

▽男子200メートル平泳ぎには、この大会で東京オリンピックの代表内定とともに世界記録更新を目指す渡辺選手が出場し、2分8秒14の全体2位のタイムで決勝に進みました。全体1位は2分8秒08で自己ベストを更新した24歳の武良竜也選手でした。

また、この種目で渡辺選手とともに世界記録更新に期待がかかる伸び盛りの20歳、佐藤翔馬選手は2分9秒18の全体3位で決勝に進みました。

渡辺選手は「予選では思うようにいかなかったかき数やターンを改善していい感じでは泳げた。決勝は僕らしいレースで力強く勝負をしたい」を力を込めました。

佐藤選手は「100メートルから150メートルのところがあまりペースが上がっていなかった。100メートル平泳ぎのレースで少し疲れが来ていたので準決勝ということもあり、力を抜いてしまっていたのかもしれない。決勝では1番で内定をとりたい」と気を引き締めました。


▽男子100メートル自由形では日本記録を持つ中村克選手が48秒64の全体1位で決勝に進みました。5日の男子200メートル自由形で自身が持つ日本記録を更新して代表に内定した松元克央選手は48秒81の全体2位で決勝に進みました。

準決勝を全体7位で決勝に進出した塩浦慎理選手は「最初のスタートに失敗したのでまずは決勝に残ることができて本当によかった。決勝ではオリンピック出場を絶対決めるという気持ちで泳ぎます」と気を引き締めました。

▽女子200メートルバタフライではリオデジャネイロオリンピック代表の長谷川涼香選手が2分8秒84をマークして全体1位で決勝に進みました。