米長官 ワクチン供給で同盟国などと連携強化の方針 中ロに対抗

アメリカのブリンケン国務長官は発展途上国などへの新型コロナウイルスワクチンの安定供給に向け、同盟国などとの連携を強化する方針を示しました。各国への積極的な供給を通じた「ワクチン外交」を展開する中国やロシアを念頭に、対抗する姿勢を打ち出した形です。

ブリンケン国務長官は5日、新型コロナウイルスへのアメリカ政府の対応について国務省で演説しました。

このなかで「パンデミックを終わらせるためには、世界が一丸となって取り組まなければならない。そのためにはアメリカが行動を起こし、主導しなければならない」と述べ、世界的な感染拡大の収束のためにアメリカが主導的な立場をとる考えを強調しました。

そして3月初めて行った日本とアメリカ、オーストラリア、インドの4か国の枠組みによる首脳会合で、ワクチンの生産や供給の協力で合意したことを「よい例だ」と指摘しました。

そのうえで「世界のパートナーと協力してあらゆる場所のすべての人に十分なワクチンが提供されるようにする」と述べ、発展途上国などへのワクチンの安定供給に向け、同盟国や友好国との連携を強化する方針を示しました。

各国へのワクチンの供給をめぐっては、中国やロシアが積極的な供給を通じた「ワクチン外交」を展開しています。

ブリンケン長官は「われわれはワクチンと引き換えに政治的な利益を求めることはしない」とも述べていて、中国やロシアを念頭に、ワクチン外交で対抗する姿勢を打ち出した形です。