「生理の貧困」 経済的困窮以外に “恥ずかしい” が要因に

生理用品が十分に手に入らない状態、いわゆる「生理の貧困」についてNGOが日本の実態を調べたところ、買うことができなかったりためらったりした理由として「恥ずかしいから」と答えた人がおよそ2割に上るなど、経済的な理由以外をあげたことがわかりました。

生理用品を手に入れることができない、いわゆる「生理の貧困」の日本の実態を調べるため国際NGO「プラン・インターナショナル」は3月、15歳から24歳までを対象に生理がある人2000人を抽出してインターネットで行いました。

それによりますと、生理用品を購入または入手することができなかったりためらったりした経験について、
▼ないと答えた人が1178人で全体の59%だったのに対し
▼あると答えた人は717人で36%でした。
あると答えた人にその理由を複数回答で聞いたところ、
▼「収入が少ないから」が31%、
▼「高額だから」が25%と経済的な理由を挙げた人が多かった一方、
▼「自分で買うのが恥ずかしいから」が18%
▼「親に頼むのが恥ずかしいから」が7%
▼「親が買ってくれない」5%などとそれ以外を挙げた人が一定数にのぼりました。
また生理による学校や仕事への影響を聞いたところ休んだり、遅刻や早退を経験した人の割合は、
▼全体では33%だったのに対し、
▼生理用品の購入や入手ができなかったりためらったりした人では44%と高くなっています。
さらに生理痛などをやわらげるための低用量ピルや痛み止めなどの薬が購入できているかどうかを聞いたところ、
▼「購入する必要性を感じない」と答えた人が42%、次いで
▼「必要で購入している」が33%、
▼「必要だが購入できない」が19%で、
およそ5人に1人が薬が必要だと感じているにも関わらず購入できていないことがわかりました。
薬が必要なのに購入できない理由について複数回答で聞いたところ
▼「値段が高い」が60%
▼「新型コロナによる収入減」が19%と経済的な問題を挙げた人が多かった一方、
▼「病院などに行くのが恥ずかしい」が31%
▼「親など周囲の反対」が12%などとそれ以外の理由を挙げた人もいました。
また生理について感じていることを複数回答で聞いたところ
▼「生理痛がつらい」が最も多く49%、次いで
▼「生理になりたくない・止めたい」が30%、
▼「腹が立つ」が18%、
▼「恥ずかしい・嫌だ」が11%などと否定的な回答が多かった一方、
▼「何も感じない」は15%
▼「生理があることはうれしい」は3%と肯定的な回答は比較的少なくなっています。

同居の祖父母に「生理用品を買って」と言いだせず

宮崎県に住む原田いくみさん(42)は子どものころ生理用品を買って欲しいと言いだせなかった1人です。

シングルマザーの母親は家にほとんど帰ってこず、同居していた祖父母が親代わりだったといいます。小学4年生のときに初潮を迎えましたが、祖父母には言えず母親が家に残していた生理用品をこっそりつかっていたといいます。

母親が家を空ける期間が長くなるとそれでは足りなくなり、1日中同じナプキンを使い続けたり、トイレットペーパーを何重にも重ねて代用したりしていました。こうした生活は高校生になってアルバイトをしてお金が稼げるようになるまで続いたといいます。

原田さんは「母親とも祖父母ともそもそも私の体の成長について話すことがなかったし、生理用品が十分にないことを祖父母に言えば、母がしかられてますます家に帰って来なくなるかもしれないと思って言えませんでした。学校の先生にもかわいそうな子と思われたくないと考えて相談しませんでした」と話していました。

原田さんは今、災害にあい避難所にいる人や生活に困窮した人のことをニュースなどで見聞きするたびに同じように生理でつらい思いをしている人がいるのではないかと感じ、当時の経験をツイッターで発信しています。

原田さんは「当時は手作りナプキンでしのぐことに精いっぱいで、生理用品がない状況がそもそも問題だということに気づきませんでした。家庭や学校で生理について気軽に話せる雰囲気があったり、学校のトイレなどにナプキンが設置されていたりしたら、私のようにネグレクトの家庭で困っている子どもも、生理用品がないことは問題で『助けを求めていいんだ』と気づけるのではないか」と話していました。

国際NGO 「生理は社会全体の問題 話しやすくすることが重要」

調査を行った国際NGO「プラン・インターナショナル」の長島美紀さんは「生理をネガティブに捉える人が多いのは世界共通ですが、それを日本ではまだ公にしゃべることができない。生理を恥ずべきもの、隠すべきものとして語られないと社会で問題として認識されなくなってしまう。生理の問題は自分ひとりの体の問題では決してなく、周りも含めた社会全体の問題だと認識し、決して恥ずかしいことではなく当たり前のこととして社会で受容していく、話しやすくしていくことが重要だ」と指摘しています。