企業やインフラへのサイバー攻撃 専門人材育成し対応策強化へ

企業やインフラをねらった大がかりで巧妙なサイバー攻撃が増え、情報流出などの被害が相次ぐ中、経済産業省は専門の人材を育成し、侵入経路を特定するなどの対応策を強化することになりました。

2日経済産業省で開かれた企業の代表者や有識者が参加する研究会では、大がかりで巧妙なサイバー攻撃が増えているとして対応策が話し合われました。

この中で、企業やインフラで事故やトラブルが起きた際にサイバー攻撃を受けたかどうか調査し、侵入経路を特定するなどの対応策を検討する必要があるとしました。

そのうえで、専門人材の育成などを進め、国の独立行政法人に設けられている「産業サイバーセキュリティセンター」に2025年をめどにこうした機能を整備していくことになりました。

研究会で梶山経済産業大臣は「サイバー攻撃によって経済活動の基盤そのものが崩されるという不安を感じざるをえない」と述べ、国として対応を加速させる必要性を強調しました。

サイバー攻撃 件数も増加 手口も多様化

警察庁によりますと、去年1年間に国内で確認されたサイバー攻撃に関係するとみられるサーバーなどへのアクセスは1日当たり6506件と、おととしの1.6倍に増え、これまでで最も多くなりました。

また、最近では「ランサムウェア」と呼ばれる悪質なプログラムでパソコンに保管してあるデータを勝手に暗号化し、復元と引き換えに身代金を要求したうえで、金銭を支払わないとデータを流出させる手口が相次いでいます。

去年11月にはゲームソフト大手「カプコン」がこの攻撃を受け、数十万人分の個人情報が流出した可能性があるなど被害の規模も大きくなっています。

このほか海外では、先月アメリカのフロリダ州の浄水場がサイバー攻撃を受け、飲用水に含まれる薬品の濃度が操作されました。

職員がすぐに気付いたため住民に被害はありませんでしたが、生活に不可欠な社会インフラへの攻撃も現実のものとなっています。

また、東京オリンピック・パラリンピックの関係者らにロシアの情報機関がサイバー攻撃を行っていたことをイギリス政府が明らかにするなど、大会の開催を前に日本の企業やインフラへのサイバー攻撃が懸念されていて、対応策の強化が急務となっています。