大阪 コロナ対策「見回り隊」飲食店巡回へ アクリル板品切れも

4月5日から「まん延防止等重点措置」が適用される大阪。

大阪市の松井市長は、大阪府と合同で「見回り隊」を作り、市内の飲食店などへの巡回を始める方針を示しました。

時短要請に応じているか、感染対策を講じているかを確認する予定です。

大阪市内の飲食店ではキャンセルが相次いでいる店もあるほか、ホームセンターでは在庫切れになっているアクリル板も出ています。

40人~50人の職員で見回り開始

大阪府の4月2日の新型コロナウイルスの感染者数は613人と、4日連続で東京の感染者数を上回りました。

大阪府は4月5日から1か月間「まん延防止等重点措置」が適用され、大阪市を対象地域としたうえで、市内の飲食店などに▽夜8時までの営業時間の短縮や▽店内にアクリル板や二酸化炭素の濃度を測定するセンサーの設置などを要請することにしています。

大阪市の松井市長は、市の対策本部会議で、大阪府と合同で「見回り隊」を作り、期間初日の4月5日から市内の飲食店などへの巡回を始める方針を示しました。

およそ5万軒ある市内の飲食店を個別に巡回し、時短要請に応じているかや、アクリル板の設置など必要な感染対策を講じているかを確認するほか、会食時のマスク着用の徹底も呼びかけることにしています。

松井市長は、会議のあと記者団に対し「まずは、府と市の40人から50人くらいの職員で見回りを開始し、繁華街の北区や中央区から巡回する。民間に委託するなどして見回りの人数を拡充していきたい」と述べました。

飲食店「5日以降はキャンセル相次ぐ」

マスク着用の呼びかけやアクリル板の設置を求められる飲食店からは難しいという声が聞かれました。

大阪・都島区の「イタリア酒場ORA」は、4月5日からアクリル板を設置しようと検討していますが、パスタやくん製料理などシェアするメニューが多いため、客と客との間にアクリル板を設置することが難しいといいます。
この店では2度目の緊急事態宣言が明けてからは、宣言中と比べて2倍の売り上げがありましたが、「まん延防止等重点措置」の適用が決まってから5日以降の予約が相次いでキャンセルされ、現状、予約が入っていないといいます。

オーナーシェフの吉田誠也さんは、会食の際マスクの着用を呼びかけることについて、「言いたくないけど言わなければいけない。お客さんによっては気持ちを害すると思うので今後の売り上げに関わる問題だ」と話しています。

5日から「まん延防止等重点措置」が適用されることについては、「またかと思うことにすら飽きてきました。今の感染状況をみているとなんとなく予想できました。国も行政も一生懸命やっているとは思いますが、期待する感情もなくなってきました」と話していました。

アクリル板が品切れに

「まん延防止等重点措置」により、大阪府は5日からすべての飲食店などに対し、テーブルにアクリル板を設置することを要請することにしています。

店頭ではアクリル板の品薄や品切れが相次いでいます。
大阪に本社があるホームセンターを展開する「ロイヤルホームセンター」の店舗では、ここ数日の間にアクリル板の販売が急増し、在庫切れになっている商品もあるということです。

このほか、ホームセンター「DCMダイキ」の大阪や兵庫の店舗でも在庫切れになっているアクリル板があるということです。

吉村知事「協力をお願いしたい」

吉村知事は2日、記者団に対し「感染が急拡大すれば、すみやかに対応することが必要だ。しばらくは感染の拡大が予想されるので協力をお願いしたい」と述べ、府民や事業者に改めて協力を呼びかけました。

そのうえで「ワクチンが広まるまでの間、食事を楽しんで感染も抑えようとすれば、マスク会食しかない。かなり不便だと思うが、感染対策に強くなるためマスク会食をお願いしたい。また、店にはアクリル板などをぜひ設置してほしい」と述べ、会食時のマスク着用など、飲食店での感染対策の徹底を強く求めました。