まん延防止等重点措置 対象地域はどうなったか 新型コロナ

新型コロナウイルスの感染が再拡大し「まん延防止等重点措置」が大阪府や兵庫県などに適用されることを受けた各地の反応です。

仙台 時短要請を県全域に拡大へ

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、村井知事は仙台市内を対象に現在行っている飲食店などへの時短要請を、今月5日から県全域に拡大する方針を固めました。

村井知事は2日、県内の市町村長と話し合う会議を開き、酒類を提供する飲食店などへの時短要請の範囲について、現在の「仙台市内」から「県内全域」に拡大する方針を提案しました。

ただ仙台市とそれ以外で内容が一部異なり、仙台市内は原則、食品衛生法で「飲食店」の営業許可を得ているすべての店が対象ですが仙台市以外はカラオケ店を含む酒類を提供する店と接待を伴う店に限定していて、酒類を提供しない店は対象外になります。

期間はともに、今月5日夜から来月6日朝までの1か月間で、仙台市内は酒類の提供は午後7時までで営業は午後8時までとし、仙台市以外は午後9時までの営業とすることを求めています。

要請に応じた県内の店舗には1日当たり4万円の協力金が支払われ、仙台市はさらに減収額に応じた支援金を支払う制度を設けています。

まん延防止等重点措置に基づく罰則などの規定は仙台市内だけが対象で、仙台市以外の飲食店などは要請に応じなくても罰則などはありません。

会議では時短要請地域の拡大の提案がおおむね了承されました。

県市長会の会長で大崎市の伊藤康志市長は「全面的に賛成する。仙台市の感染が東北全体に大きな影響を与えるので、速やかに対応してほしい」と述べました。

また村井知事はイベント開催時の収容人数の上限を5000人とする要請も県内全域を対象にすると明らかにしました。

チケットを販売済みのイベントは対象から除くということです。

県は3日午後に開く対策本部会議で、県内全域での時短要請を正式に決めることにしています。

村井知事は会議のあと記者団に対し「仙台市内に出している独自の緊急事態宣言が県内全域に広がり、仙台市内はもう1段階上のレベルになったと理解してもらいたい。肺が真っ白で病院に入るべき人が、ホテルにいなければならない状況だ。『飲食店に行かなければいい』というわけではなく、極力行動を自粛してもらいたい」と話していました。

仙台 居酒屋店主「頑張っていくしかない」

仙台市の繁華街にある飲食店から営業時間をさらに短縮するよう要請されることに対し、不安の声があがっています。

仙台市の繁華街、国分町にある居酒屋『阿古』では、客どうしの距離をとるため席を25%減らすなどの感染対策を強化して営業を続けています。

ことし2月、仙台市全域の飲食店などを対象にした営業時間の短縮要請が解除されたあと、客足が少しずつ戻っていましたが先月(3月)県独自の緊急事態宣言に伴い、営業時間を午後9時までに短縮した影響で再び客足は遠のき、売り上げは例年の半分以下に落ち込んでいるということです。

来週5日からは「まん延防止等重点措置」が適用され、仙台市内の酒類を提供する飲食店などは営業時間を午後8時までにさらに短縮するよう求められます。

要請について居酒屋の店主の百武稔さんは「営業時間が短すぎて経営には大ダメージですね。少し客足が戻ってきたところでしたがまた来る人が少なくなると思います。頑張っていくしかないですね」と話していました。

店では、5日からは営業開始を通常よりも30分早めて午後5時から開店するなど対策をとるということで百武さんは、「時短要請に協力しますので、国や県で感染拡大を抑えるようにちゃんとやってほしいです」と訴えていました。

プロ野球・楽天 球場を訪れた人たちは

プロ野球の楽天は今シーズン、本拠地・仙台市の楽天生命パーク宮城での入場者数の上限を、収容人数の半分の1万5600人としてきました。

しかし、「まん延防止等重点措置」の適用により、来週の5日以降は、すでに販売済みの場合を除き、上限が5000人まで減らされる見通しです。

観戦に訪れていた宮城県山元町の20代の女性は、「球場は思ったより人が多く飲食をしている人も多い。感染が不安だったので、入場者の上限が減るのはいいと思う。今後は自粛したい」と話していました。

一方、仙台市の50代の男性は「今後はチケットを取るのが大変になるのではないか。楽天だけではないので仕方がない。今は我慢のときだと思う」と話していました。

このほか、宮城県東松島市の10代の男性は「入場制限は悲しいがしかたない。試合を見に行けるときは、ちゃんと感染対策をしたい」と話していました。

大阪 造幣局の「桜の通り抜け」中止を決定

大阪の造幣局は来週から予定していた「桜の通り抜け」について、大阪府内で新型コロナウイルスの感染が再拡大し「まん延防止等重点措置」の適用が決まったことなどから、中止することを決めました。

去年に続いて2年連続です。

「桜の通り抜け」は大阪・北区にある造幣局で130年以上前から続く行事で、560メートルの並木道に植えられた340本ほどの桜を見に毎年およそ60万人が訪れます。

去年は新型コロナの影響で、中止されましたが、ことしははがきによる事前申込制で期間中の来場者を例年の10分の1以下にするなど感染対策を講じたうえで今月8日から行う予定でした。

しかし、大阪府内で感染者数が急増していることや「まん延防止等重点措置」の適用が決まったことを受け、造幣局は2年連続の中止を決めました。

造幣局は「楽しみにしていただいていた皆様には、ご迷惑をおかけしますが、ご理解いただきますようお願いします」と話しています。

造幣局は少しでも桜を楽しんでもらうため今月8日以降、桜の開花状況の写真や動画をホームページや「YouTube」などに掲載することにしています。

兵庫 対象となる店舗への見回り強化へ

兵庫県は、2日夕方、対策本部会議を開き、対象地域の神戸市、尼崎市西宮市、芦屋市の4つの市の飲食店などに対し、営業時間を朝5時から夜8時まで、酒類の提供は午前11時から夜7時までとするよう要請することを決めました。

要請に応じた事業者には、規模に応じた協力金を支給します。

また、飲食店などに対し、発熱などの症状がある客や正当な理由がなくマスクの着用に応じない客の入場を禁止すること、店内にアクリル板の設置や二酸化炭素の濃度を測定するセンサーを設置すること、カラオケ設備の利用の自粛などを要請することになりました。

そして、こうした要請を守っているか確認するため、対象となるおよそ1万6000店を対象に、見回りを強化するとしています。

さらに、クラスターを防止するため、高齢者施設の職員へのウイルス検査を行うほか、歓楽街などで陽性者が出た場合、重点的に検査を実施するとしています。

対象地域以外も含めたすべての県民に対しては、時短要請の時間帯に、飲食店にみだりに出入りしないことや、日中も含めた不要不急の外出・移動の自粛、それに混雑している場所や時間を避けて行動することなどを要請します。

会議の中で、井戸知事は、「医療体制もかなりひっ迫しており、しっかりと対応を進め、県民の命を守るため協力をお願いしたい」と述べました。

徳島 鳴門 “不要不急の往来自粛を”

鳴門市では新型コロナウイルスの対策本部会議が開かれ、泉理彦市長や担当者ら17人が参加しました。

会議では危機管理課から対象地域は大阪府は大阪市、兵庫県は神戸市、西宮市、尼崎市、芦屋市、宮城県は仙台市となる見通しであることや、鳴門市でもこれらの地域への不要不急の往来を自粛するよう市民に向けて情報発信してくことが報告されました。

最後に泉市長が「鳴門市は大阪や兵庫が2時間圏内で春休みや大型連休の間は多くの人が往来する。ボートレース場など人気の施設では注意が必要で情報共有などさらなる対応をとってほしい」と指示を出しました。

鳥取県知事 「可能なかぎり移動の見合わせを」

鳥取県が開いた対策会議では、3府県との往来を予定している場合は、日程の見直しを改めて検討するとともに、平日、休日を問わず可能なかぎり往来を控えるよう県民に求めることを決めました。

ただ鳥取県東部の住民の生活圏となっている兵庫県北部の香美町と新温泉町については通勤や通学、買い物での往来は差し支えないとしています。

平井知事は「兵庫県や大阪府での感染の急増が県内での感染の連鎖につながっていると考えている。移動を可能なかぎり見合わせてもらいたい」と話しています。