イタリア 医療従事者や高齢者施設の職員 ワクチン接種義務化

イタリア政府は、病院や高齢者施設で新型コロナウイルスのワクチンを接種していない職員から広がったとみられる集団感染が起きたことを受けて、医療従事者や高齢者施設の職員を対象に接種を義務化すると発表しました。新型コロナウイルスのワクチンは任意の国が多く、イギリスやフランス、ドイツなどでは義務化されていません。

地元メディアなどによりますと、イタリアでは先月、首都ローマ近郊の高齢者施設でワクチンを接種していない職員から広がったとみられる集団感染が発生したほか、ほかの地域の複数の病院でも同様の集団感染が起きました。

こうした事態を受けて、イタリア政府は1日までに、病院や高齢者施設などで感染が広がるのを防ぐため、医師や看護師、高齢者施設の職員などにワクチンの接種を義務づけると発表しました。

拒否した場合には配置転換を行って患者と接触する機会のない業務につけたり、職務を停止させたりするとしています。

新型コロナウイルスのワクチンは任意の国が多く、イギリスやフランス、ドイツなどでは接種は義務化されていません。

イタリアの労働組合からは義務化には反対しないものの「拒否した場合に職務を停止するのは行き過ぎだ」といった声が上がっています。

イタリアでは、18歳以上の10人に1人がワクチンを1回打つなど接種が進みつつありますが、今も1日あたりの新たな感染者数がたびたび2万人を超えるなど、深刻な状況が続いています。