インド 感染再拡大でワクチン接種の対象を45歳以上に引き下げ

インドで新型コロナウイルスの感染が再び拡大していることなどを受け、インド政府は1日からワクチン接種の対象を45歳以上に引き下げ、接種のペースを早めることにしています。

インドでは2月下旬以降、新型コロナウイルスの感染が再び拡大していて、1日に発表された新たな感染者は7万2330人と、去年10月中旬以降、最も多くなりました。

こうした中、インド政府は1日からワクチン接種の対象を45歳以上のすべての人に拡大し、首都ニューデリーの病院には、新たに対象となった人々が次々と訪れ接種を受けていました。

接種を受けた49歳の女性は「きょうから自分の年齢でも受けられるようになったので、すぐに申し込んで来ました。接種を受けてほっとしていますが、感染対策は続けようと思います」と話していました。

インド政府は、夏までに3億人に接種する計画ですが、接種会場の不足などから、これまでに少なくとも1回の接種を受けた人は人口のおよそ4%にあたる5500万人にとどまり、計画の遅れも指摘されています。

一方、WHO=世界保健機関などが主導するワクチンの公平な分配を目指す「COVAXファシリティ」は、インド国内での需要の高まりを受け、インドで製造されているアストラゼネカなどのワクチンの供給に遅れが出る見通しを示していて、今回の接種対象の拡大によって途上国を中心に接種がさらに遅れるおそれがあります。