世界の貿易量回復も来年は減速 途上国ワクチン接種遅れで WTO

WTO=世界貿易機関はことしの世界の貿易量が急速に回復する一方、来年は途上国で新型コロナウイルスワクチンの接種が遅れる影響で伸びが減速するという見通しを明らかにし、ワクチンの公平な分配が必要だと訴えています。

WTOは3月31日、世界の貿易量について最新の予測を公表しました。

それによりますと、新型コロナウイルスの影響で去年、世界のモノの貿易量は前年に比べマイナス5.3%落ち込みましたが、各国で大規模な経済対策が続けられた結果、ことし8%増加し急速に回復すると見込んでいます。

ただ、来年2022年は途上国でのワクチン接種の遅れや地域間の格差が影響し伸び率が4%に減速するとしていて、新型コロナウイルスが依然として世界の貿易の最大の脅威になると指摘しています。

これについてWTOのオコンジョイウェアラ事務局長は記者会見で「ワクチンの供給不足が続いた場合、伸び率は予測をさらに下回るおそれがある。世界全体ですばやく公平にワクチンを接種できるようにすることが持続的な経済の回復にとって最も効果的な対策だ」と訴えました。