ミャンマー 軍とデモ隊加勢の武装勢力 衝突激化で1万人が避難

ミャンマーでは、軍に抗議するデモ隊への激しい弾圧で現地の人権団体によりますと、これまでに521人が死亡しました。

軍は、デモ隊に加勢する武装勢力に対して地上部隊を派遣し、住民およそ1万人が避難を始める事態にまでなっています。

ミャンマーでは、クーデターに抗議するデモ隊に対し軍が激しい弾圧を続けていて、現地の人権団体によりますと、30日までに521人が死亡しました。

最大都市ヤンゴンなどでは、31日も少人数のグループに分かれたデモ隊が、住宅街の道路を封鎖し抗議活動を続けています。

こうしたデモ隊に加勢している南東部カレン州の少数民族の武装勢力に対し、軍は31日朝も空爆を行いました。空爆はこれで5日連続です。

武装勢力によりますと、カレン州には都市部で抗議活動を続けていたデモ隊の一部、およそ2000人が軍による弾圧から逃れ、保護されているということです。

軍は数千人の地上部隊を現地に派遣し、武装勢力と本格的に衝突するおそれも出ています。

このため、およそ1万人の住民が避難を始めたということで、大勢の住民がすでに国境を越えて隣国タイに逃れています。

一方、地元のメディアによりますと、北部のカチン州で、少数民族の武装勢力が、今月28日に続いて、31日も、軍の拠点を新たに攻撃しました。

また、別の3つの武装勢力が連名で、30日に市民を守るために戦うという声明を出すなど、軍と国内の各武装勢力との間で、一気に緊張が高まっています。

市民の暮らし向き 次第に厳しく

ミャンマーでは軍による弾圧が強まる中、市民の暮らし向きは次第に厳しくなっています。

最大都市のヤンゴンでは安全への不安から、市場に客が集まるのは朝の2時間程度に限られ、価格も不安定になっているということです。

買い物をしていた女性は「朝しか出かけず、午後は外出しません。あらゆる経済活動が停滞し、収入は全くありません。貯蓄を取り崩すしかありません」と話していました。

野菜を売っている男性は「市内にトラックが入れなくなると価格が上がります。トマトは4割ほど値上がりしました」と話していました。

また、花を売っている女性は「デモ隊が市場に逃げ込んで来ると兵士が追いかけてきて、客はみないなくなってしまいます。恐怖の中で商売しています」と訴えていました。

軍による統治を機能停止に追い込もうと、各職場で労働者が職務を放棄する「市民不服従運動」に伴う影響も広がっています。

銀行には現金を引き出そうと連日、大勢の人が訪れていて、31日朝も長蛇の列ができていました。

書店を経営している男性は「1週間以上も通い続けています。すべてが機能停止して収入も全くありません」と話していました。

銀行に勤め、できるだけ多くの預金を引き出したいという女性は「もしすべての預金が奪われたり銀行が破綻したりしたら、どうしていいかわかりません」と不安そうに話していました。

弁護士「スー・チー氏は健康そう」

軍に拘束されているアウン・サン・スー・チー国家顧問の弁護士は複数のメディアに対し、31日に警察官の立ち会いのもとビデオ会議形式でスー・チー氏と面会したことを明らかにしました。

そのうえで「スー・チー氏は健康そうに見え、血色もよかった」と述べました。

弁護士によりますと、今回の面会ではクーデター後にスー・チー氏が訴追された事件をめぐって協議が行われたということです。