アストラゼネカのワクチン 原則60歳以上に接種方針 ドイツ政府

ドイツ政府は、アストラゼネカなどが開発した新型コロナウイルスのワクチンについて、接種した60歳未満の人たちに血栓が確認された例が新たに報告されたことを受けて、今後は、原則として60歳以上に限って接種を進める方針を示しました。

ドイツのメルケル首相は30日、記者会見し、アストラゼネカなどが開発したワクチンについて、接種した60歳未満の人たちに血栓が確認された例が新たに報告されたことから、専門家でつくる委員会の勧告にしたがい、原則として60歳以上の人に限って接種を進めると発表しました。

このワクチンをめぐっては3月に入って、接種後に血栓が確認された例があるなどとしてヨーロッパ各国で一時接種を見合わせる動きが相次ぎましたが、調査したEMA=ヨーロッパ医薬品庁が「安全で効果的なワクチンで人々を守るメリットはリスクを上回る」との見解を発表し、ドイツやフランスなどは3月19日から接種を再開していました。

たびたび接種の方針が変わることついてメルケル首相は「透明性をもつことが最善の手段だ」と述べ、専門家の意見を聞きながら柔軟に対応し、そのつど情報を公開するとして、理解を求めました。

アストラゼネカのワクチンについてはフランスが55歳以上に接種を限定しているのに対し、イタリアは18歳以上を対象にするなどヨーロッパ各国で対応が分かれています。