“ことし米中経済は回復もほかの国はリスク残る” IMF専務理事

IMF=国際通貨基金のゲオルギエワ専務理事は世界経済に関する講演で、アメリカと中国の経済がことし中に新型コロナウイルスの感染拡大前の水準まで回復するものの、そのほかの多くの国ではワクチン接種の遅れなどのリスクが残っているという認識を示しました。

これはIMFのゲオルギエワ専務理事が30日の講演で明らかにしたもので、大型の経済対策が成立し、ワクチン接種も進むアメリカと、中国の経済は、ことし中に感染拡大前の水準まで回復するという見通しを示しました。

そのうえで、IMFが策定することしの世界全体の経済成長率を1月の時点より上方修正することを明らかにしました。

ただ、ゲオルギエワ専務理事はアメリカと中国の回復ペースは例外だとして「まだ危険はある。経済情勢はそれぞれで、ワクチンはすべての人に行き届いているわけではない。決して油断してはいけない」と述べ、ワクチンの普及が遅れる新興国や変異ウイルスの感染が拡大するヨーロッパや南米などで、リスクは残っているという認識を示しました。

一方、ゲオルギエワ専務理事は、今後の持続的な世界経済の発展に向けて、環境インフラへの投資拡大や、高い収益を上げる企業に対する国際的な課税制度の導入などを各国に提言しました。