WHOと25か国の首脳が「パンデミック条約」の制定呼びかけ

WHO=世界保健機関とEU=ヨーロッパ連合などは新型コロナウイルスの感染拡大を教訓に、今後、世界的な感染症が起きた際、国際社会が効果的に協力することを目指す新たな条約「パンデミック条約」の制定を呼びかけました。

WHOのテドロス事務局長は30日、EUのほか、ヨーロッパやアジアなど、25か国の首脳と合同でメディアに寄稿し「今後もパンデミックや人々の健康に関わる緊急事態は起きる。こうした脅威に国や機関が単独で立ち向かうことはできない」として、今後の世界的な感染症に備え、国際社会が効果的に協力することを目指す新たな条約「パンデミック条約」の制定を呼びかけました。

新型コロナウイルスでは各国が協調した対応を取れなかったことへの反省から、新たな条約では感染症のデータを速やかに共有するとともに、ワクチンや治療薬の開発などで協力する仕組みをつくるとしています。

WHOのテドロス事務局長は30日、条約の必要性を訴えていたEUのミシェル大統領と合同で開いた記者会見で「条約は国際協力と連帯に向けた枠組みとなる」と述べ、その意義を強調しました。

新たな条約はことし5月のWHOの年次総会で議論される予定で、具体的な協力内容をどうするかや、どれだけの国から賛同が得られるかなどが課題となります。