日本インドネシア外務・防衛閣僚協議 中国への深刻な懸念共有

日本とインドネシアの外務・防衛の閣僚協議が開かれ、海洋進出を強める中国への深刻な懸念を共有し「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた連携を確認しました。また両国は防衛装備品の移転や技術協力を促進する協定を締結しました。

今回で2回目となる日本とインドネシアの外務・防衛の閣僚協議、いわゆる2プラス2は日本側から茂木外務大臣と岸防衛大臣が、インドネシア側からは、ルトノ外相とプラボウォ国防相が参加して、外務省の飯倉公館でおよそ1時間余り行われました。

協議では「海警法」の施行など中国が東シナ海と南シナ海で力による一方的な現状変更の試みを継続・強化しているとして深刻な懸念を共有し「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、価値観を共有する国々とともに緊密に連携していくことで一致しました。

そのうえで防災分野の支援を目的に500億円の円借款を行うほか自衛隊とインドネシア軍を含む多国間の共同訓練の強化やインドネシアの沿岸警備の能力向上に向けて日本が支援することなどを確認しました。

またミャンマー情勢をめぐって、軍のクーデターに抗議する市民の犠牲が増え続けている事態への強い懸念を共有したほか北朝鮮による先の弾道ミサイル発射は極めて遺憾だとして、国連安保理決議の完全な履行を求めていくことで一致しました。

協議では安全保障面の協力強化に向けて防衛装備品の移転や技術協力を促進する協定の締結で合意し、茂木大臣とプラボウォ国防相が署名式で協定に署名しました。

茂木大臣は共同記者発表で「両国はともに海洋国家であり戦略的パートナーとして幅広い分野で協力を推進している。改めて両国が、地域および国際社会の諸課題にともに取り組む意思を確認することができた」と述べました。

岸大臣は「防衛装備品の移転協定の締結を受け、具体的な装備移転の実現に向けて協議を加速していく。また、インドネシア海軍主催の多国間共同訓練などへの積極的な参加を通じて、両国で自由で開かれた海洋秩序を維持・強化していく」と述べました。

ルトノ外相「インド太平洋は平和と繁栄の地域であるべき」

協議のあとの共同記者発表で、インドネシアのルトノ外相はミャンマー情勢に関連して、今月27日の弾圧で100人以上の市民が犠牲になったことを厳しく非難しました。

そしてASEAN=東南アジア諸国連合は内政不干渉の原則を尊重してきたと前置きしたうえで「ミャンマーに民主主義と平和と安定を取り戻すために対話を進めるべきだ」と呼びかけました。

またインド太平洋地域については海洋進出を進める中国を念頭に「インド太平洋は平和と繁栄の地域であるべきだ。これはすべての国が協力を継続し、国際法を尊重し実行することによってのみ実現される」と強調しました。

一方、プラボウォ国防相は30日締結した防衛装備品の移転や技術協力を促進する協定について「非常に重要な節目だ」と歓迎したうえで、日本側に対して「インドネシアの防衛能力の近代化に向けて支援してほしい」と呼びかけました。
また、日本との協議のあと、インドネシアのルトノ外相はオンラインの記者会見で、ミャンマー情勢について「インドネシアと日本は同じ懸念を共有している。ミャンマーは対話を進めることでしか自国の問題を解決できない」と強調しました。

またルトノ外相は今回の訪問中、去年11月に行われたミャンマーの総選挙で日本の選挙監視団の団長を務めた日本財団の笹川陽平会長と会談したことを明らかにしました。

そして「武力行使を直ちにやめ対話を始めるべきだというインドネシアの考えに賛同してもらい、ミャンマー情勢がASEAN地域にも影響を及ぼすことを確認した」と述べたうえで、今後もミャンマーへの働きかけを続けていく意欲を示しました。