安全保障関連法 違憲訴訟 山梨県の住民の訴え退ける 甲府地裁

集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法は憲法違反だなどと、山梨県の住民らが国を訴えていた裁判で、甲府地方裁判所は訴えを退けました。

6年前に集団的自衛権の行使を可能にした安全保障関連法が成立したことなどについて、山梨県の住民180人は「憲法9条に違反し平和的に生存する権利などを侵害され、精神的な苦痛を受けた」などとして、国に対し賠償を求めていました。

30日の判決で甲府地方裁判所の鈴木順子裁判長は「憲法前文の『平和』とは抽象的な概念で、裁判の規範となるべき具体的な権利や法的利益が保障されると理解することは困難だ。また、憲法9条や13条を根拠に平和的に生存する権利が保障されているともいえない」と指摘しました。

そのうえで「原告らが戦争への不安を感じていることは認められるものの、国の政策決定などの影響は国民全体に広く及ぶもので、原告らの感情が社会通念上の限度を超えて法的保護の対象になるとまでは認められない」などとして訴えを退けました。

また、安全保障関連法が憲法違反かどうかについては「具体的な事件の結論を導くのに必要な場合を超えて裁判所が憲法判断をする必要はない」として判断しませんでした。

原告の弁護団によりますと同様の裁判は全国22の地方裁判所で起こされていますが、これまでに出た判決はいずれも原告の訴えが退けられています。

原告団長「控訴します」

判決を受けて原告団長の金野奉晴さん(72)は「司法を信頼して提訴したが敗訴ということで非常に残念だ。今後どういう戦い方をしていくか考えないといけない。もちろん控訴します」と話していました。