フジ「テラスハウス」“出演者へ配慮欠け放送倫理上問題” BPO

フジテレビの番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さんがSNS上でひぼう中傷を受ける中、自殺したとみられる問題で、BPO=「放送倫理・番組向上機構」は、出演者の精神的な健康状態への配慮に欠けていた点で放送倫理上の問題があったとする判断を公表しました。

去年亡くなったプロレスラーの木村花さん(22)は、共同生活を記録するフジテレビの番組「テラスハウス」に出演し、番組内の言動についてSNS上でひぼう中傷を受けていました。

BPOの放送人権委員会は、木村さんの母親の響子さんから「娘は番組の過剰な演出によって凶暴な女性のように描かれ、みずからの命を絶った」とする申し立てを受けて番組について審理していました。

この番組ではフジテレビの放送に先立ってネットの動画配信サービスでほぼ同じ内容が提供されていて、その時点から木村さんに対するひぼう中傷が相次いでいました。

BPOは、こうした経緯を踏まえたうえで「放送を行う決定過程で出演者の精神的な健康状態に対する配慮に欠けていた点で放送倫理上の問題があった」と結論づけました。

一方、制作者側の指示によって意思決定の自由を奪うような人権の侵害や、過剰な編集や演出による放送倫理上の問題については「あるとは言えない」と判断しました。
フジテレビは「改めてお悔やみを申し上げます。今回の決定を真摯(しんし)に受け止め、今後の放送・番組作りに生かしてまいります」とコメントしています。

花さんの母 響子さん「人権侵害認められず歯がゆく悔しい」

木村花さんの母親の響子さん(44)は、BPOの判断を受けて都内で会見を開きました。

響子さんは、きょう30日が花さんがプロレスラーとしてデビューした記念の日だと明かしたうえで「人権侵害が認められない結果については、すごく歯がゆく悔しい思いです。花がここにいないことで事実を証明することが難しく、あやふやな結果になってしまうのだと感じました」と述べました。

そのうえで「本当に二度とこのような思いを誰にもしてほしくないので、フジテレビには、ひぼう中傷対策をするだけではなく、出演者をコマの一つではなく、ひとりの人間として大切に扱ってほしい」と訴えました。