ブラジル コロナ禍で閣僚が相次ぎ辞任 政治に混乱

新型コロナウイルスの感染拡大が深刻なブラジルで外相と国防相が辞任し、このうちアラウージョ外相は、外国からのワクチンの入手が遅れたとして批判を受けていて、感染拡大に歯止めがかからない中、政治にも混乱が生じています。

アメリカのジョンズ・ホプキンス大学のまとめによりますと、ブラジルでは、28日に確認された新たな感染者の数が4万4000人を超え世界でも最悪の状況となっていて、医療体制が崩壊する危機にひんしています。

こうした中、ブラジルのメディアは29日、ボルソナロ政権の外相と国防相があいついで辞任したと報じました。

このうちアラウージョ外相は、外国からのワクチンの入手が遅れているという批判を受けていて、29日、自身のツイッターに「私の行動がワクチンの確保を難しくしているという誤った声が高まっている」と投稿して批判が辞任の背景にあったことを示唆しています。

一方、アゼベド国防相については、国防省が発表した声明に辞任の理由についての言及はありませんが、ブラジルの複数のメディアは、政治手法をめぐってボルソナロ大統領と立場に違いがあったと伝えています。

ブラジルでは今月に入り、コロナ対策を指揮してきた保健相も交代していて、感染拡大に歯止めがかからない中、政治にも混乱が生じています。