大阪 吉村知事「まん延防止等重点措置」の適用 国に要請へ

大阪府の吉村知事は、府内で新型コロナウイルスの感染が再拡大していることについて、感染の第4波に入ったという認識を示したうえで、近く、国に対し、緊急事態宣言が出されていなくても、集中的な対策を可能にする「まん延防止等重点措置」の適用を要請する考えを示しました。府では、週内に対策本部会議を開いて、方針を正式に決定することにしています。

大阪府内では、3月26日から28日まで、3日連続で新規の感染者が300人を超えるなど、感染が再拡大しています。

これについて、吉村知事は29日、記者団に対し「感染拡大の速度を見ても、おそらく今週、また増えてくるのではないかと思うし、山になる可能性は十分に高い。感染経路の不明者が非常に多いことを考えると、第4波に入ったという分析をしている」と述べ、感染の第4波に入ったという認識を示しました。

そのうえで、吉村知事は「国に対し『まん延防止等重点措置』の要請をしたい。その方針を、この2、3日中には正式に決定したい」と述べ、近く、国に対し、緊急事態宣言が出されていなくても、集中的な対策を可能にする「まん延防止等重点措置」の適用を要請する考えを示しました。

府では、週内に対策本部会議を開いて、方針を正式に決定することにしています。

さらに、吉村知事は、措置が適用された場合の対応として、飲食店などへの入店にあたってはマスクの着用を義務化し、違反する人は入店を禁止する措置や、「マスク会食」の徹底などを検討していることなどを明らかにしました。

「まん延防止等重点措置」とは

「まん延防止等重点措置」は、緊急事態宣言が出されていなくても、都道府県が集中的な対策を講じることができるよう、2月施行された、新型コロナウイルス対策の改正特別措置法で、新たに設けられました。
「重点措置」を講じる要件については、新規陽性者数などの状況を踏まえ、▼都道府県で感染の拡大のおそれがあり、▼医療の提供に支障が生じるおそれがあると認められることと規定されています。

適用の目安は、「ステージ3」が想定されていますが、感染が局地的に、急速に広がっている場合は、「ステージ2」での適用もありえるとしています。

「重点措置」が適用された都道府県の知事は、市区町村など特定の地域を限定することができます。
そして、「重点措置」のもとで、都道府県が、飲食店などの店舗や施設に対して行うことができる措置として▼従業員への検査受診の勧奨、▼入場者の整理、▼発熱などの症状がある人の入場の禁止、▼入場者へ感染防止のための措置の周知と、それを行わない人の入場禁止などを定めています。

加藤官房長官「対策の効果 感染状況 見極めて」

加藤官房長官は、午後の記者会見で、大阪府の吉村知事が、近く、国に対し「まん延防止等重点措置」の適用を要請する考えを示したことについて「大阪府とも状況の把握や認識の共有化を連絡を取りながら図っている。対策の効果や今後の感染状況などを見極めて、大阪府とも連携しながら対応していきたい」と述べました。

そのうえで「改正特別措置法の付帯決議で、知事から要請があった場合には最大限尊重するとされていることも踏まえ、最終的な判断をしていく。大事なことは、大きな波にしないということで政府として、自治体が取っている対策の効果や感染状況の推移などを踏まえて対処していきたい」と述べました。

西村経済再生相「緊密に連携を取っていきたい」

西村経済再生担当大臣は記者団に対し、28日夜、宮城県の村井知事、大阪府の吉村知事とそれぞれ連絡を取ったとしたうえで「宮城県と大阪府は、いずれも感染が拡大してきている状況で高い警戒感を持って知事と状況を共有している。必要に応じて『まん延防止等重点措置』の活用も含めて緊密に連携を取っていきたい」と述べました。

また「大阪は、午後9時までの営業時間の短縮の範囲を広げていく予定で、そうした取り組みを国としても応援し、何としてもこれ以上大きな流行にしないよう取り組みを強化したい」と述べました。