WHO 4月上旬まで すべての国でワクチン接種始める目標 難しい

WHO=世界保健機関などが主導するワクチンの公平分配の枠組みへの供給が遅れるなか、テドロス事務局長は4月上旬までにすべての国で接種を始めるとする目標の実現が難しくなったという見方を示しました。

WHOなどが主導してワクチンの公平な分配を目指す枠組み「COVAXファシリティ」はこの1か月余りで61の国と地域に3200万回分を超えるワクチンを供給していて、WHOは4月上旬までに世界のすべての国で医療従事者と高齢者への接種を始めることを目標としています。

しかし、テドロス事務局長は26日の定例の記者会見で、目標の実現が難しくなったという見方を示しました。

そのうえで「COVAXとしては分配の準備ができているが、ワクチンそのものがなければ配ることができない」と述べ、製薬会社と独自の契約を結んでワクチンの確保を進めてきた一部の国の動きなどを強く非難しました。

この枠組みへのワクチン供給をめぐっては、インドの大手製薬会社が製造しているアストラゼネカなどのワクチンについても、インド国内の感染状況の悪化から供給に遅れが出る見通しが明らかになっています。

こうした状況を踏まえ、テドロス事務局長は少しでも多くの途上国で接種が始められるよう、先進国などに対してCOVAXにワクチンを回すよう改めて呼びかけました。