インドで感染者増加 WHO主導のワクチン公平分配 遅れる見通し

インドで新型コロナウイルスの感染者数が再び増加する中、WHO=世界保健機関などが主導するワクチンの公平分配の枠組みは、インドで製造されているアストラゼネカなどのワクチンの供給に遅れが出る見通しだと明らかにしました。

インドでは減少傾向にあった新型コロナウイルスの感染者数が先月下旬以降再び増加していて、25日発表された感染者の数は5万3000人余りとなっています。

こうした中、WHOなどが主導するワクチンの公平な分配を目指す「COVAXファシリティ」は25日、インドの大手製薬会社「セラム・インスティテュート・オブ・インディア」が製造しているアストラゼネカなどのワクチンの供給について、今月から来月にかけて遅れが出るという見通しを明らかにしました。

理由についてCOVAXは、インド国内でワクチンの需要が高まっていることをあげ、インド政府と引き続き連携し供給を受けていくとしています。

一方で、具体的な遅れの見通しについては明らかにしていません。

COVAXは、ことし6月末までに145の国と地域に3億3720万回分のワクチンを供給する計画ですが、このうち7割を超える2億4000万回分を「セラム・インスティテュート・オブ・インディア」が製造するワクチンに頼っていることから、分配の大幅な遅れにつながることが懸念されます。