地域の医療機関と連携で「入院待機者2か月間ゼロ」東京 墨田区

東京 墨田区では新型コロナウイルスの患者を受け入れるための病床がひっ迫するのを防ごうと、ことし1月から地域の医療機関と連携し、新型コロナから回復した患者の一般病床での受け入れを始め、取り組みを開始して2か月がたった今も入院の待機者はゼロの状態が続いています。

東京 墨田区では、区内で唯一、コロナの重症患者を受け入れる「都立墨東病院」の病床のひっ迫を防ごうと、ことし1月下旬から区内の医療機関と連携し、国の退院基準を満たしたうえで引き続きリハビリなどの入院治療が必要な患者について、一般病床に転院させる取り組みを始め、2か月がたちました。

これまでにおよそ100人の回復患者が転院し、多いときには30人ほどいた入院の待機者はゼロの状態が2か月間続いています。

墨田区では入院が必要な患者が減少していることや、協力する医療機関が当初7つだったのが9つに増えるなど、受け入れ体制が広がったことが要因のひとつとしています。

2月下旬から今月にかけ、区内の介護施設でクラスターが発生した際もコロナ患者の専用病床に全員が入院して治療を受けることができたということです。

さらに墨田区では、区内で「コロナ後遺症」の診察ができる医療機関のリスト化を進め、患者の症状や程度に応じて対応できる医療体制作りを進める方針です。

墨田区保健所の西塚至 保健所長は「受け入れの経験を積み、感染対策をしっかりすると感染が広がらないことが多くの病院に伝わり、協力する医療機関が増えた。”第4波”がきても、地域の医療資源がそれぞれの役割を果たし、多くの感染者が出ても、医療がひっ迫しない体制を作っていきたい」と話しています。