北朝鮮 弾道ミサイル2発発射 菅首相「強く非難する」

政府は、25日朝、北朝鮮が弾道ミサイル2発を発射し、いずれも日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定されると発表しました。菅総理大臣は、「わが国と地域の平和と安全を脅かし、国連の安保理決議に違反するもので、厳重に抗議し強く非難する」と述べました。

政府によりますと北朝鮮は、25日朝7時4分ごろと23分ごろ、北朝鮮の東岸のソンドク付近から1発ずつ、合わせて2発の弾道ミサイルを東方向に発射し、いずれも、およそ450キロ飛しょうしたと推定されるということです。

落下したのは、いずれも日本のEEZ=排他的経済水域の外側の日本海にと推定され、これまでに、航空機や船舶への被害などは確認されていないとしています。

菅総理大臣は、直ちに、
▽情報収集・分析に全力を挙げ、国民に対して、迅速・的確な情報提供を行うことや、▽航空機、船舶などの安全確認を徹底すること、それに、▽不測の事態に備え万全の態勢をとることを指示しました。

また、総理大臣官邸では、NSC=国家安全保障会議が緊急に開かれ、菅総理大臣をはじめ、茂木外務大臣や岸防衛大臣らが出席し、情報を分析するとともに、今後の対応などを協議しました。

菅総理大臣は「去年3月29日以来、およそ1年ぶりのミサイル発射は、わが国と地域の平和、安全を脅かすものだ。国連の安保理決議に違反するものでもあり、厳重に抗議し強く非難する」と述べました。
そして、「これまで以上に警戒・監視を強める必要があり アメリカや韓国をはじめ、関係諸国と緊密に連携し、国民の命と平和な暮らしを断固として守り抜く決意だ」と述べました。

政府は、引き続き、情報の収集・分析や警戒監視に全力を挙げ、今後追加して公表すべき情報があれば、速やかに発表するとしています。

北朝鮮 ミサイル発射は去年3月29日以来

北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのが確認されるのは去年3月29日以来で、ことしに入って初めてです。

防衛省によりますと、前回は日本海に面する東部のウォンサン(元山)から2発の短距離弾道ミサイルが発射され、およそ250キロ飛行して北朝鮮東部の沿岸部に落下したと推定されています。

北朝鮮は、
▽おととしは13回、合わせて25発の弾道ミサイルなどを発射し、
▽去年は3月の1か月間で4回、合わせて8発の発射が確認されていました。

2発は短距離弾道ミサイル 防衛省

防衛省によりますと、25日午前7時4分ごろと午前7時23分ごろの合わせて2回、いずれも北朝鮮の東岸のソンドク付近から、東の方向に弾道ミサイルが発射されたということです。

2発はいずれも、日本の排他的経済水域の外側の日本海に落下したと推定され、付近を航行する船舶の被害など日本への直接の影響は確認されていないということです。

また2発はともに短距離弾道ミサイルで、防衛省はいずれも高度は100キロ未満、飛行距離はおよそ450キロと推定されるとしています。

北朝鮮による弾道ミサイルの発射が確認されるのは去年3月29日以来で、ことしに入って初めてです。

防衛省はミサイルの種類などについて、情報の収集と分析を進めています。

岸防衛相 「北朝鮮の東岸からおよそ450キロ飛しょうしたと推定」

岸防衛大臣は午前10時前、記者団に対し「北朝鮮の東岸から、合計2発の弾道ミサイルを東方向に発射した模様だ。従来から保有しているスカッドミサイルの軌道よりも低い高度の100キロ未満をいずれも、およそ450キロ飛しょうしたと推定される。通常より高く打ち上げるロフテッド軌道でないことは、高度から確認できている」と述べました。

その上で「アメリカ、韓国をはじめ国際社会と緊密に連携を取りながら必要な情報の収集分析、および警戒監視に全力を挙げていきたい。国民の安心安全の確保に万全を期していきたい」と述べました。

日本の漁船 被害報告なし 水産庁

水産庁によりますと、日本の漁船への影響はないと見られるということですが、念のため無線局などを通じて漁船の安否確認を行っていて、これまでのところ被害の報告は入っていないということです。

外務省 米国務省北朝鮮問題担当と電話で協議

外務省の船越アジア大洋州局長は、アメリカ国務省で北朝鮮問題を担当するソン・キム次官補代行と電話で協議しました。

そして最新の情報を共有し、引き続き両国で緊密に連携していくことを確認しました。

外務省 韓国外務省の北朝鮮問題担当と電話で会談

外務省の船越アジア大洋州局長は25日午後、韓国外務省で北朝鮮問題を担当するノ・ギュドク朝鮮半島平和交渉本部長と電話で会談しました。

そして、北朝鮮による今回の弾道ミサイル発射など、最新の北朝鮮情勢について意見を交わし、引き続き日韓両国にアメリカも加えた3か国で緊密に連携していくことを確認しました。

韓国軍“ハムギョン南道付近から2発発射”

韓国軍の合同参謀本部は北朝鮮が25日朝、東部のハムギョン南道付近から日本海に向けて飛しょう体2発を発射したと発表しました。韓国軍は監視や警戒を強化するとともに、アメリカ軍と飛しょう体の種類や飛行距離など詳しい分析を進めています。

また、韓国大統領府は午前9時から緊急のNSC=国家安全保障会議を開いて対応を協議することにしています。

北朝鮮国営メディア 何も伝えず

北朝鮮の国営メディアは、これまでのところ発射について何も伝えていません。

また北朝鮮は今月21日に西部のピョンアン(平安)南道オンチョン(温泉)付近から巡航ミサイルと推定される2発を発射したことについても、発表していません。

中国 新華社通信が速報

中国国営の新華社通信の英語版は、韓国メディアを引用する形で「北朝鮮が日本海に向けて何らかの飛しょう体を発射した」と速報しています。

中国政府はこれまでのところ公式な反応を示していません。

中国 朝鮮半島と地域の安定を実現へ

北朝鮮による発射について、中国外務省の華春瑩報道官は25日の記者会見で「朝鮮半島の平和と安定を守り、対話を通じて問題を解決することは、関係各国の共通の利益と国際社会の期待に合致するものだ。われわれは関係各国に対し、朝鮮半島の緊張緩和が続くよう力を入れるとともに、問題の政治的な解決に向けたプロセスが進むために互いに歩み寄るよう呼びかけてきた。朝鮮半島と地域の安定を実現するために積極的に努力していきたい」と述べるにとどめました。