マイナンバーカード保険証利用 本格運用先送りへ トラブルで

マイナンバーカードの健康保険証としての利用について先行して運用が始まった一部の医療機関で患者の情報が確認できないなどのトラブルが相次ぎ、今月末から予定されていた全国での本格運用が先送りされることになりました。
厚生労働省は、遅くともことし10月までには、本格運用を始めたい考えです。

マイナンバーカードの健康保険証としての利用は、今月から24都道府県のあわせて54医療機関で始まり、厚生労働省は、今月末から全国での本格運用を予定していました。

しかし、先行して運用を始めた一部の医療機関で「保険資格の情報が登録されていない」と表示されたり、健康保険証に記載された情報と一致しなかったりして患者の情報が確認できないトラブルが相次いでいることが分かりました。

このため厚生労働省は、今月末からの本格運用を先送りすることにしました。

トラブルの原因は、医療保険を運営する健康保険組合などが誤った方法で加入者の情報を入力したためと見られるということです。

厚生労働省は、患者の情報が正しく登録されているか検証しながら、順次、利用できる医療機関を増やし、遅くともことし10月までに本格運用を始めたい考えです。

どうすれば使える?

マイナンバーカードを健康保険証として利用するには、事前に、ポータルサイトなどで申し込み手続きを済ませる必要があります。

そして医療機関の窓口に設置された専用の機械にカードを置いて、顔認証か暗証番号の入力で本人かどうか確認します。

厚生労働省によりますと、申し込み手続きを済ませた人は、今月21日時点で、カードが交付された人のおよそ9%にあたる、311万人となっています。

先送りの理由となった「トラブル」の原因は。

マイナンバーカードを健康保険証として利用するため、厚生労働省は、健康保険組合や共済組合など、およそ3500の保険者に対し、加入者のデータを新たなシステムに登録するよう求めてきました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う出勤制限などにより、データの登録や確認の作業に遅れが生じたということです。

また、登録したデータの中にも、加入者の保険者番号が黒い丸印になったり、空白になったりしているものがあったほか、本人と家族の区分が正しく入力されていないものなどが、見つかっているということです。

専用の読み取り機設置費用支援も導入進まず

厚生労働省は、マイナンバーカードの情報を読み込むため、専用の機械の設置を医療機関に呼びかけ、システム改修などにかかる費用を支援してきました。

今月末までに、全国の医療機関の6割程度での導入を目指してきましたが、今月21日時点で、医療機関からの申し込みは、全体のおよそ45%にとどまっています。

また世界的な半導体不足で、システムを利用するための専用パソコンの調達にも遅れが出ているということです。

厚生労働省は、必要となる資材の確保に努め、引き続き、医療機関への導入を促していく方針です。