去年のがん検診受診者 前年比約30%減 感染心配し受診控えか

新型コロナウイルスの感染が拡大した去年、自治体のがん検診を受けた人が前の年に比べ、およそ30%減少したことが日本対がん協会の調査で分かりました。協会は、感染を心配した受診控えが減少の要因で、がんが進行した状態で見つかるおそれがあるとして、受診を呼びかけています。

日本対がん協会は、先月から今月にかけて各地にある32の支部に新型コロナウイルスの影響を聞く調査を行いました。

それによりますと、国が推奨している胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、子宮頸がんの5つのがん検診を受けた人は去年は延べ394万1000人余りで、前の年に比べておよそ172万9000人、率にして30.5%減ったことが分かりました。

月別では、4月は減少率が85.2%、5月は92.7%、6月は67.9%と感染の第1波の時期を中心に大幅に減った一方で、10月は1.8%増加、11月は2.4%減少、12月は22.7%増加と、検診施設で感染対策を取っていることが知られるようになり、受診が増えてきたとしています。

協会は、感染を心配した受診控えが減少の要因で、およそ2100人で検診によって見つけられたはずのがんが発見できていないおそれがあると分析しています。

小西宏ディレクターは「受診遅れにより、進行がんとして見つかる割合が増えるおそれがある。検診施設は十分な感染対策を取っているので、ぜひ受診してほしい」と呼びかけています。